鮮度劣化を防ぐ! 牛肉の扱い方の基本!
牛肉をバックヤードで商品化する際、鮮度劣化は必ず起こります。
それをできるだけ劣化させないで商品化する方法を解説します。
鮮度劣化の要因
まずは牛肉を扱う上で、基本中の基本となる「鮮度劣化の要因」について、触れておきたいと思います
鮮度劣化の要因は、「微生物」と「温度」です。
「微生物」とは、細菌や、カビ・酵母です。
これが牛肉の変色を起こし、ひどい管理をしていると、人体に悪い影響を与えてしまいます。
牛肉を汚染し鮮度劣化させる「微生物」の大半は、0℃~45℃で増殖します。
そう!冷蔵庫、冷蔵ケースに入れてあっても、細菌の増殖は少しずつ進んでいくのです。
ですから、冷蔵庫・冷蔵ケースの温度設定は、マイナス2℃が良いでしょう。
牛肉の変色は、カットした牛肉の表面に付着している細菌の数が、多ければ多いほど早く進み、鮮度劣化が早まるのです。
細菌を全くなくすことは不可能ですが、増殖を遅らせる努力を怠ってはいけません。
それによって少しは、鮮度劣化を先送りすることができます。
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バックヤードで商品を作る際、マイナス2℃ の環境で製造できれば良いのですが、ほとんどのスーパーマーケットのバックヤードでは、クーラーをガンガンにきかせていても18℃位だと思います。
18℃の環境で牛肉を扱うということは、細菌が増殖し、鮮度劣化が早まるということです。
ですからそれを極力おさえるためには、冷蔵庫から牛肉を取り出して、カット(スライス)して、ラップをかけラベルを貼り、オープンケースに陳列するまでの、いわゆる常温での取扱い時間をどれだけ短縮出来るかにかかってきます。
鮮度劣化を防ぐ方法
牛肉をカット(スライス)する際、手やまな板、包丁、スライサーなどに細菌が付着し増殖しているので、こまめにアルコールなどで消毒をしながら、牛肉を取扱わなければなりません。
布巾は、次亜塩素酸を薄めた水に漬け込み、よ~く水で洗い流して消毒し使用します。
これらのどの部分の消毒をおろそかにしてはいけません。
どこか消毒もれがあると、他を一生懸命消毒してもそれが無意味なことになってしまいます。
それはなぜかというと………
例えば、手や包丁・まな板・スライサーの歯など、すべての器具を念入りにアルコール消毒したとします。
それにもかかわらず布巾は消毒せずに使い続け、その布巾で器具を拭いたとすると、布巾で増殖した雑菌がせっかく消毒した器具などに付着してしまうことになるからなのです。
ですから、どこももれることがなく、すべて完璧に消毒しながら作業をしなければなりません。
これをひとつの行程ごとに行うくらいこまめな消毒をすることによって、商品に付着する雑菌が減るため、牛肉の劣化や変色を遅らせることができます。
手や包丁を消毒するのは簡単ですが、まな板やスライサーの歯はちょっと手間がかかります。
それでもこまめに消毒を行いながら、牛肉を商品化する作業を行いましょう。
これだけは、牛肉を取扱う上での基本中の基本ですので、徹底して行ってください。
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その他、良く見受けられるのが、
牛肉をカット(スライス)し、トレイに盛り付け……までは良いのですが、
その後、ラップしてラベルの貼り付けを行うセクションの処理が混雑し、製造した商品が常温でしばらく放置されていることです。
これでは、無意味に鮮度を落としてしまっているだけです。
牛肉は、牛・豚・鶏肉の中で一番鮮度劣化が早いので、牛肉をトレイに盛り付け商品化したら、いち早く“優先的”にラッピング行程の処理をし、売り場に陳列するようにしましょう。
それができない状況であれば、トレイに盛り付けた状態のままで良いので、いったん冷蔵庫に保管しましょう。
そしてラッピング行程のセクションが空き次第、それを冷蔵庫からだし、早急にラッピングして売り場に陳列するようにします。
こうした手間ひまを惜しまない、商品に対してのこまめな気配りが、鮮度劣化をおくらせることになるのです。
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