スーパーマーケットで「セルフレジ」が浸透しない理由は?

ひと昔前の食品を販売するお店というのは、八百屋さん、お魚屋さん、お肉屋さん、乾物屋さん……などと、それぞれの個人商店が集い商店街が形成されることが一般的でした。

この頃までは買い物をする際にお金を支払うには、それぞれのお店でその都度お財布をだすのが当たり前でした。

今みたいにバーコードみたいなものはありませんでしたのでお店の人は、レジで一品一品それぞれのお値段を計算機をたたくかのごとく手打ちで入力し計算していました。

現在のスーパーマーケットが誕生したのは1960年ころで、食品の販売形態がワンストップショッピングで購入できる便利さや購入したものを自分で袋詰めするというセルフ方式が当時は画期的なものでした。

レジシステムも進化し、レジスタッフがキーボードに手打ち入力することからバーコードのスキャニング登録に変化しました。

それ以来、現代に至るまでこのスーパーマーケットのセルフ販売形態が約60年近く当たり前のように変わらず続いてきました。

 

そしてついに長年の進化の低迷を打破するかのごとく、ご存じの「商品のスキャニング」や「精算」までお客様が行うセルフレジシステムの導入が浸透し始め、レジスタッフの削減化やスマート化が当たり前の時代に大きく変わろうとしています。

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現在さらに進んでいる大手アパレルメーカー業界では、お客様が商品を買い物カゴに入れて精算場所に置くだけで自身の買いもの額トータル金額が表示されセルフ精算できる時代となっています。

 

食品販売においては、それと同等で画期的なシステムが「Amazonn Go」というスーパーマーケットです。

現在では試験段階で行っているようですが、入店の際ゲートでスマホをかざし店内で欲しい商品を自分のカバンに直接入れて、その場で精算せずに店外にでる……というたった3つのステップで商品を購入できてしまうというものです。

精算はスマホからネット経由で口座やクレジットカードから自動的に引き落とされるので全く何の手間もかからない非常に画期的で未来的なシステムです。

これによりかつてから解決されない問題となっていた「万引き被害」がゼロになると見込まれています。

近未来はお店にレジがないのが当たり前になるのを目指しているようです。

 

そこまでになるにはまだまだ時間がかかりそうですが、現段階では「これはすごい!」と思われたセルフレジですから普及が急速に進むのでは……と思われましたが、販売されてから何年か経ちますが現時点で何かしらの「セルフレジ」を設置しているスーパーマーケット店舗は全国でみても約半数の店舗しか設置されていないのが現状です。

セルフレジが設置された店舗でも、商品のスキャンは人が行う「セミセルフレジ」まで……などと、まだまだ全自動の「フルセルフレジ」の全自動化まではできておらず、現段階ではなかなか浸透されていないのが現状です。

 

なぜスーパーマーケットの「フルセルフレジ」は浸透しないのでしょうか?

「日本では普及が難しいといわれていたセルフ式のガソリンスタンドも現在では多くなり、利用する方法も慣れてきてだいぶ浸透してきたといえます。それでもまだ1998年にセルフガソリンスタンドが解禁されて20数年経った現在、ガソリンスタンド全体の35%くらいしかセルフガソリンスタンドは浸透していません。

スーパーマーケットのフルセルフレジも、それが当たり前であるかのように浸透するまでは、恐らく現状のままですとまだまだ数年はかかることだと思います。

 

なぜこんなにも画期的なシステムなのに当たり前のように普及しないのでしょうか?

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お客様側としての要因

数十点のバーコードを読ませるのが面倒くさいと思う人がまだまだ多いこと。

 

お店側としての要因

フルセルフレジシステム導入に踏み切れない理由としては、いくら重量チェック機能があるとはいえ、お客様の中にはバーコードを通さないような不正行為や万引き行為が現在のシステムでは、やりようによってはできてしまう心配点があること。

それを100%監視できないこと……があるのかもしれません。

 

またスーパーマーケットのフルセルフレジでは、バーコードのスキャニング作業に慣れていないお客様が多いので、かえってレジの流れが悪くなってしまうということがあります。

 

アパレル店のように買上げ点数がそれほど多くなくレジ対応が煩雑でない業界ではフルセルフレジを導入した方がレジの流れがスムーズになるようですが、スーパーマーケットのように買上げ点数が多く煩雑なレジ対応を要求される業界では、慣れたレジスタッフがスキャニングをした方がかえってスムーズに流れるところがあります。

それゆえにスーパーマーケットではフルセルフレジよりセミセルフレジの導入を選択されるお店が多く現在ではセミセルフレジを主流とする段階で止まっているのも要因のひとつです。

 

しかしセミセルフレジではそれほど人件費は削減できるものではなく未来的思考のスマートなセルフレジとはいえません。

ではアパレル業界のように商品の入ったカゴを精算台に置くだけでトータル買い上げ金額が表示されるようにすれば良いのでは……と思います。

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しかしそれには、RFIDという電波で複数一気にスキャンすることがタグを一品一品、全ての商品につけなければなりません。

このRFIDのタグのコストが相当のコストになってしまい現段階ではあまり現実的ではないことがフルセルフレジを浸透させられない要因のひとつでしょう。

 
 

コストといえば、フルセルフレジ・セミセルフレジどちらも登録機・精算機の初期導入コストが安いものではなく、巨額なコストがかかります。

「その分人件費が削減できるではないか」……と思われるかもしれませんが、セルフレジを導入にかかる費用を人件費削減想定額によって元を取れるようになるのは、単純計算フルセルフレジでも8年〜10年くらいは掛かるようです。

 

現在の進化の動向を見ますと食品業界では、まず始めにコンビニエンスストアが先駆けてアパレル業界のような電子タグシステムを取り入れ、スキャニングなしのセルフレジの導入を手掛け普及が進むことが予想されます。

コンビニエンスストアがこのシステムの導入が比較的おこないやすく、導入メリットが大きいと想定されるからです。

 

お買い上げ商品の合計金額を一度に読み取り、キャッスレス化の併合により精算スピードがが格段に上がることと、24時間営業のコンビニの課題である人手不足と人件費削減対策に終止符が打てると思われます。

また万引き防止のセキュリティゲートの併合により、確実な利益確保も見込めるようになることでしょう。

 

問題は電子タグの単価です。

現在はその肝心な電子タグの価格がまだまだ高いのことから、これだけ画期的なシステムが目の前にあってもそこに踏み出せないのことがセルフレジが浸透しない理由となっているのではないでしょうか。

この電子タグの価格が下がってくれば精算システムが一気に変わってくると思います。

 

スーパーマーケットがこのシステムが普及されるのはその後になってくるでしょうから、まだまだ何年か時間はかかるかもしれません。

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