牛肉シャクシのスペックの作り方と商品化の方法

牛肉の半身(半丸)を小分けにして真空状態で納品してもらうためのスペック(小分けの仕方)と、商品化できる用途について解説します。今回は肩セットの中のシャクシについてです。

A4クラスの和牛はスペック化して、パーツをうまく組み合わせながら使うことをお勧めします。

<シャクシ>

シャクシはセット状態で仕入れると、シャクシ本体とトウガラシ(地域によってはトンビと呼ばれています)と2つに分かれて納品されます。(つくところではスネ肉もセットに含まれる場合もあります)

シャクシ本体はかなりの大きさがあるため、年末年始でもない限り一度に使い切ることは困難です。

そこでスペック化をするのですが、ミスジ・ウワミスジ・カタサンカク・コサンカク(カブリ)・マクラ・トウガラシ・スネ肉の8ヶに分けて真空パックをかけ、使いやすくします。

※多少割高になりますが、シャクシだけをパーツで仕入れたいとき、トウガラシやスネ肉が含まれないシャクシ単体のセットで卸すこともできるようです。

 

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<ウワミスジ>

①まず、シャクシ本体からウワミスジをはがし真空パックをかけます。

肉質は柔らかいのですが、細かい筋が入り組んでいるのでいるので、赤身切り落としか、焼肉屋さんではユッケにすることをお勧めします。

(参考商品アイテム例)

黒毛和牛赤身切り落とし……480円/100g

黒毛和牛赤身切り落とし……1280円/250g入り1パック

 

<まくら>

②まくらをはずします。名前の通り丸いマクラのような形をしていますので、まあるくシャクシからはがしていき真空パックします。

前足のふくらはぎの部分で筋肉質なため、肉質は硬い赤身肉です。

しかし、この筋は火を入れるとゼラチン化するため、味わいが豊かになる特徴のある部位です。

脂の多いバラ肉と一緒にかまして、切り落としすと、赤身と脂身が程よく混ざった旨みのある切りおとしができます。牛丼などの煮込み素材に適しています。

(参考商品アイテム例)

黒毛和牛濃厚な味煮込み用(カタ・バラ)……428円/100g

 

<ミスジ>

③ミスジとカタサンカクの部分に分けて真空パックをします。

ミスジは一頭からわずかしかとれない貴重な部位です。霜降り具合がよくサシの入り方に特徴があります。肉質も味わいも濃厚なため、ミスジを知っているクロートに需要が高いです。

最初のほうはステーキにとり、盤が大きくなってくると、真ん中に太い筋がでてくるので、筋を境に2分割します。盤の大きいほうは、しゃぶしゃぶや、焼肉にして、薄いほうは、タタキや刺身にしてもいいと思います。

(参考商品アイテム例)

黒毛和牛霜降りステーキ(ミスジ)……980円/100g

黒毛和牛霜降焼肉用(ミスジ)……880円/100g

黒毛和牛霜降しゃぶしゃぶ用(ミスジ)……880円/100g

黒毛和牛タタキ刺身用……680円/100g

 

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<カタサンカク(くりみ)>

④カタサンカクとコサンカク(カブリ)の2つに分けて真空パックをします。

カタサンカクは筋肉の発達している赤身肉で、独特の歯ごたえがあり、旨みはありますが、多少肉質が硬めです。

商品アイテムを作る際、真ん中に太い筋が入っていますので、その筋にそって2つに分けます。A4クラスなら一部ミスジに近い側の部分で、赤身ステーキに何枚か取れますが、ジャッカートをうらから入れておいたほうがよいでしょう。

赤身系の商品アイテムなら何でも作れる便利な部位です

柔らかい部分で赤身ステーキを何枚かとったら、赤身焼肉用や、しゃぶしゃぶ用、タタキ刺身用で利益を稼ぎ、余った端財は赤身の切り落としや、カレーシチュー用にしましょう。

(参考商品アイテム例)

黒毛和牛赤身ステーキ……680円/100g

黒毛和牛赤身しゃぶしゃぶ用……680円/100g

黒毛和牛赤身焼肉用……580円/100g

黒毛和牛タタキ刺身用……680円/100g

黒毛和牛赤身切り落とし……480円/100g

黒毛和牛赤身切り落とし……1280円/250g入り1パック

黒毛和牛カレーシチュー用……328円/100g

 

<コサンカク(カブリ)>

カタサンカクについている小さな三角形の形の部位で、肉質は少々硬めなので、ジャッカートをいれて、薄切り焼肉用や切り落としにスライスしたり、カレーシチュー用に適しています。

(参考商品アイテム例)

黒毛和牛薄切り焼肉用……480円/100g

黒毛和牛切り落とし………980円/300g入り

黒毛和牛切り落とし………328円/100g当たり

黒毛和牛カレーシチュー用……328円/100g

 

<トウガラシ(トンビ)>

真ん中に太い筋が入っているので、筋を引いていくと、トウガラシの中央あたりで筋が途切れます。そこまでは2分割して、最後に残ったとがった部分は、2分割せずそのままの状態で使います。

肉質は少々硬めの赤身肉なのでジャッカートをいれて、厚みのある部分は赤身焼肉用やしゃぶしゃぶ用、タタキ刺身用に、残りは赤身切り落とし材や、カレーシチュー用にしましょう。

(参考商品アイテム例)

黒毛和牛赤身しゃぶしゃぶ用……680円/100g

黒毛和牛赤身焼肉用……580円/100g

黒毛和牛タタキ刺身用……680円/100g

黒毛和牛赤身切り落とし……480円/100g

黒毛和牛赤身切り落とし……1280円/250g入り1パック

黒毛和牛カレーシチュー用……328円/100g

牛肉半丸セットを仕入れなくても、肩セットのスペックを仕入れれば、霜降り系の部分をたくさん持つ肩ロースや、赤身の部分をもつシャクシで、ある程度のバリエーション豊富な商品アイテムで売り場を構成することができます。

牛肉の売り上げがまだそんなに高くないお店は、A4クラスの肩セットのスペックを仕入れて、売り場レイアウトを作っても良いと思います。

そして、肩セットの回転率を上げていけば牛肉の売り上げも、気づいた時には、かなりの売上になり、半丸セットを仕入れても大丈夫な位に牛肉の売り上げシェアが増えることでしょう。

 

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