中小スーパーマーケットが生き残る方法

スーパーマーケットの歴史として、1950年代に40坪くらいの小さいお店が設立されて以来、100坪前後の小さなスーパーマーケットがあちこちに新設され発展してきました。

そのためひと昔前は自宅近くに小さなスーパーマーケットが四方八方に乱立し、オーバーストアー状態と感じるほどではなかったでしょうか?

 

その結果この時代に逆風が吹いて苦しんだのは昔からある商店街の八百屋さん・お肉屋さん・お魚屋さんなどの個人商店でした。今やそれらの個人商店は次々に淘汰され今やシャッター街と呼ばれる商店街が増えてきました。

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そうなった理由は、商店街の個人店は個々に会計をしなければならなかったことや、お肉屋さん・魚屋さん・八百屋さんなどの生鮮品はいちいちお店の人に注文して袋詰めしてもらわなければならないわずらわしさがあることが要因のひとつではないでしょうか?

 

スーパーマーケットではそのわずらわしさがなく、気になるものを簡単に手に取って見てみたり選んだりすることができたり、会計もまとめて1回で済むなど……セルフの部分が画期的に感じられて受け入れられたことが大いに時代にマッチしたのだと思います。

 

 

ですからちょっと気の利いた父ちゃん母ちゃんが経営しているような小さな八百屋さんなどは、自分たちが生き残っていくために小さなスーパーマーケットに業態転換するようになってきました。

 

この頃のスーパーマーケットはただ漠然と、どこにでもあるスーパーマーケットとして売れ筋品の品揃えと特売やセールなどである程度の価格訴求をしていれば売上・利益を確保して生き残ってこられたのです。

 

この時代、大手総合スーパーマーケットはそれほど安売りしていなかったため、中小スーパーマーケットが総合スーパーマーケットのすぐ隣にお店を出店し、コバンザメスタイルと称して安売りをして大手総合スーパーマーケットのお客様を引っ張るような商売をしている中小スーパーマーケットもありました。

 

1店舗目でちょっと成功すると2店~3店と店舗を出店拡大し、父ちゃん母ちゃんの経営する「個人商店」から「株式会社」へと成長させるところも多々ありました

この頃の父ちゃん母ちゃんが経営する中小スーパーマーケットは勢いがあり、家族経営の中小スーパーマーケットとしては一番の全盛期だったのではないでしょうか。

 

 

しかし時代の変化がさらに進むと、大手総合スーパーマーケットがスケール・メリットを最大限活用し安売りをして出店攻勢を高めシェアを拡大してきたことや、コンビニエンスストアもオーバーストアー状態と言われるほどあちらこちらに新設されたり、ドラックストアまでもが食料品を販売するようになってきていることで地域の食料品の販売シェアが奪われ、現代では中小のスーパーマーケットが淘汰される時代となり店舗閉鎖や大手スーパーからのM&Aを余儀なくされるケースが増えてきました

 

昨今の少子高齢化の社会情勢の変化で食品の消費量が減ってきていることや消費者の購買に対する考え方・嗜好の変化をいち早く悟り対応してきた大手総合スーパーマーケット・コンビニ・ドラッグストア等がシェアを伸ばして拡大する時代になり、ただ漠然と品揃えをして価格訴求だけしかしてこなかったノウハウのない中小スーパーマーケットは淘汰されるようになりました。

 

 

良くありがちなケースは、中小食品スーパーマーケットとしての全盛期で活躍してきた方が現在高齢で管理職についていてお店の方向性を決めていると思いますが、そういう方々の多くは

安売りで行列を作ったりして成功例を築き上げてきたためそういう安売り路線が忘れられず、この時代の変化に順応できないまま相変わらず「安売り…安売り…」と言い続けていることです。

もうすでに中小食品スーパーマーケットでできる安売りは大手総合スーパーマーケットにかなわないことが理解できないのでしょう。

 

またその他にもダメなケースは、大手総合スーパーマーケットのやり方・手法・販売方法などを教科書にして一生懸命模倣しようとする中小スーパーマーケットです。

 

中小スーパーマーケットが大手総合スーパーマーケットのものまねをしても大手総合スーパーマーケットに太刀打ちできるはずがないのに、それに気が付かない中小スーパーマーケットは次々に淘汰されています。

 

 

恐らく最近皆さんの自宅近くの地域内には、数店舗しか持たないような中小規模の食品スーパーマーケットは少なくなっているのではないでしょうか?

 

……あったとしてもそのスーパーマーケットの店名はそのままでも実はすでに大手スーパーマーケットに吸収合併されていることも多々あるのです。

 

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このような時代背景で危機に直面している中小食品スーパーマーケットが多い中でも強く支持されている中小食品スーパーマーケットも少なからず存在します

 

中小食品スーパーマーケットが生き残っていくにはどうしたら良いのでしょうか?

 

 

現在、中小スーパーマーケットで生き残っているのは、大手総合スーパーマーケットとは異なる方法で魅力のある品揃えや独自性のある商品をたくさん持ち支持を得ているスーパーマーケットです。

 

安売り路線で支持を得ていくなら徹底的に安売りをしていくと良いでしょう。それはそれなりに薄利多売で人件費を徹底的に削って運営していく方法をとるとか……安かろう悪かろうではなく安くても商品的に満足されるような手法を確立し、大手総合スーパーマーケットの資本力に太刀打ちできるならそれも良いと思います。

 

ディスカウントスーパーが三流品を集めて狭い売り場面積でとにかく価格の安さ重視で展開しても、現代のお客様は安かろうまずかろうは手を出さない時代です。それだけは理解しなければなりません。

ただ現実を見ていますと、中小食品スーパーが安売り路線をとったとしても、資本力のある大手総合スーパーマーケットに太刀打ちしていくことは難しいようです。

数十店舗以上の規模の中小食品スーパーマーケット企業であればなんとかやりようはあるのかも……というレベルだと思います。

 


であるならば、中小食品スーパーはどんな手法をとっていけばよいのでしょうか?

 

おすすめは独自性のある品揃えや価格のあり方を追求し支持を得ていく方法が良いと思います。

あの店に行かないと買うことができない……というような自家製の人気商品を持つとかなりの武器になったり、上質な品質レベルの商品の品揃えに特化し、価格も大手総合スーパーマーケットより断然安い……など、中小食品スーパーマーケットならではの小回りを利かせた大手総合スーパーマーケットにはなかなかできないことを強みに特色を打ち出していくことです。

 

品揃えの豊富さでは大手総合スーパーマーケットには絶対にかないませんので、特徴のある品揃えを目指すべきです。

 

 

例えば個人の飲食店でも、売れない飲食店はアレもこれも……とメニューアイテムが多く、どれもこれといった特徴がないことが多いです。

行列のできているラーメン屋さんなどは3種類くらいしかメニューがないこともあります.

 

それと同じかどうかはさておいて、自分の店の強みとなるオリジナリティのある商品に絞り込んで勝負を仕掛けていくべきだということです。

 

自社の得意とする分野を見極めてそれを最大限に生かし、勝負できるもの作り上げていくことです。

 

 

 

方向性としてはやはり生鮮3部門とお惣菜部門で独自性カラーを打ち出し差別化をアピールすることです。

基本は「あそこの店に行けば必ず新鮮で美味しいものがリーズナブルな価格で買える」という信頼感を築き上げることです。

 

リーズナブルな価格で買える……とは「この商品がこの値段で買えるの?」……という品質が高く美味しい商品が想像していた値段よりも安く買えることにあります。

生鮮3部門とお惣菜部門に関しては中小食品スーパーマーケットのほうが小回りの良さを活かして独自性の工夫を凝らすことができ、それ次第で大手総合スーパーマーケットには真似のできない品揃えや販売価格の構築ができるのです。

中小食品スーパーマーケットが生き残るには、生鮮3部門や惣菜等の分野で自社にしかない魅力を高めていくことが重要であると考えます。

 

 

大手総合スーパーマーケットは規模が大きすぎがゆえに同じものを大量に必要とするため、仕入れ先も大手卸などと取引をしますが、中小食品スーパーマーケットは反対に全国各地で少量しか生産できないがこだわりの美味しい商品を作る生産者やメーカーと提携して美味しい食品を販売できるという小回りの良さを活かす手法をとることができます。

 

中小食品スーパーマーケットはそこをどのようにプロモーションしていくかで生き残ることができるようになってきます。

反対にそこを追求せずに今までと同じく普通に品揃えをして、普通の特売価格で販売しているだけではいずれ間違いなく淘汰されてしまうことでしょう

 

生鮮食品・お惣菜の分野でいかに独自性をプロモーションして魅力を打ち出し支持されるかにかかってくるといっても過言ではないでしょう。

 

これからの食品スーパー業界は「 大手総合スーパーマーケット」と「食品ディスカウントスーパー」、そして「生鮮・惣菜部門で独自性の魅力で支持を得ている中小食品スーパーマーケット」の3極化がはっきりとしてくると思います。

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