売買差益で利益を簡単に管理していく方法

日々の販売業務を遂行するにあたって、原料や素材を仕入れをしたものを販売することで利益を得ていることと思います。

毎日仕事を終えた段階で、「今日はどれくらい利益を得ることができたか……」確認しているでしょうか?

今回は、日々の利益を簡単に管理していく方法を解説します。

 

スポンサードリンク

 

売買差益率を管理をする理由

商売は売上を上げることも大事ですが、利益を得ることなしで商売は成り立ちません。

安売りをしてたくさん売り上げをUPさせても、そこに利益がなければ商売として成り立たないのです。

 

よく見受けられるのが、売上を上げることばかりを考え、利益の方は「このくらいの販売価格でやっていれば利益は取れているだろう……」と〝どんぶり勘定”で利益を把握していない部門責任者が多いということです。

月末に売上利益を絞められ、月間成績が会社本部から報告されてはじめて、「あ~利益がでなかった~。粗利率が平均水準より下回っている……。最悪の粗利益率だ~」などという声が聞かれます。

こういう部門責任者のほとんどが、仕入高をチェックするどころか、仕入れ伝票すらまともに見ていないように見受けられます。

私から言わせると、このような部門責任者は「ただ時間から時間を勤務するだけのサラリーマン」で商売人ではないと思っています

 

売り上げは、ストアーコンピューターシステムで明確でタイムリーに確認することができるので、常に気にすることが簡単にできますが、仕入高はそう簡単にはいきません。

最低限、仕入高を毎日記入して利益を算出するくらいの労力は、惜しまずにやらなければならないのです。

 

パソコンのエクセルに簡単な表計算の算式を入れて〝売買差益のフォーマット” を作っておけば、簡単に累計と日々の粗利額・粗利率を算出してくれます。

パソコンやipadがなければ、売買差益用のノートを用意して、毎日売上と仕入れを記入し単純に計算していけばいいだけの話です。

 

最低限おおまかに、その日までの売上と仕入合計だけは管理したほうが良いでしょう。

そうすれば、

「今日は仕入れが多かったので、粗利率が悪くなった」……とか

「今日は在庫が減ってきて、順調に粗利が出ている」……とか

その日その日の現状が明確になります。

 

それによって、

「利益が出ているから少し安売りを強化して売上を確保しよう」……とか

「粗利が出ていないから利益率が高い商品を拡販しよう」……などと、

日々の販売戦略のハンドルコントロールができるのです。

 

その結果、確実に粗利益率のコントロールができ、月末に売上・利益を絞めた段階で「利益が出なかった~」などということがなくなり、安定して粗利率を稼ぎ出すことができるのです。

 

本来もう少し細かく売買差益のコントロールをしたほうが、いろいろなことが分析でき、なにかと販売戦略を構築する幅も広がりますので、その方法を解説します。

 

それは、カテゴリー別に仕入れを分けて管理することをおすすめします。

 

売買差益の管理方法サンプル

下の表は精肉部の売買差益表です。

 

このカテゴリーの分け方は、どのカテゴリーの売上・利益の数値を分析したいかによって区切ればよいと思います。

上の例は、

「和牛」「輸入牛」……「黒豚」「豚肉」…「銘柄鶏」「「鶏肉」…「加工品」と、

牛・豚・鶏肉をそれぞれ高級品質なものと、一般品質なものに分けて分析しています。

 

もちろん、もっと簡単に「牛」・「豚」・「鶏」・「加工肉」の4点だけに絞っておおまかに管理してもかまいませんし、逆に「挽肉」というカテゴリーを増やしたり、「加工品」を「ウインナー」と「ハム・ベーコン」など、もっと細かく分類してもいいかと思います。

 

ただし仕入伝票をそのカテゴリーごとに振り分ける作業が発生しますので、あまり分けすぎると大変になります。

特に「挽肉」のカテゴリーは、牛・豚・鶏肉の仕入高から、挽肉に使った分の仕入れを差し引くようなことをしなければならなくなりますので、そういうカテゴリーの分類はあまりおすすめはできません。

 

出来るだけ仕入伝票ごとにカテゴリーの振り分け作業ができるようにすることが望ましいです。

 

例えば1枚の納品伝票に「黒豚」と「一般の豚肉」複数のカテゴリーが混雑して発行されると、その伝票の中からそれぞれをピックアップして合計金額を計算してから仕入高に書きこむ……などと、大変な作業が増えてしまいます。

ですから「黒豚」と「一般の豚肉」を仕入れる納入業者が違うか、それらを同じ納入業者から仕入れたとしても、伝票を別々に発行してもらえば良いのです。

そうすれば仕入伝票ごとに、それぞれのカテゴリーごとの仕入高に振り分けることができるのです。

 

上の売買差益表の「売上高」はストアーコンピューターからそのまま書きこみ、「仕入高」は、その日に仕入れた仕入伝票をこの7つのカテゴリーに分けて、それぞれの合計金額を出し記入すれば良いだけです。

 

あとの   色の合計・累計項目は、エクセルであれば式入力をしておけば自動的に計算してくれるので楽チンです。

ノートに手書きで記入する場合は、計算機片手に頑張りましょう。

 

※控え伝票は、それぞれのカテゴリー別のファイルごとに分けておきましょう。

 

 

スポンサードリンク

 

売買差益管理の遂行方法

売上はコンスタントに同じような額で推移していくものですが、仕入高は、仕入がない日もありますし、牛肉のように和肉の半身分がドサッと納品され仕入高がいっきに上がる日もあります。

3日の日のように、和牛が納品されて牛肉の仕入れが1日の牛肉の売上以上の仕入高になる日は、一番左の粗利率(売買差益率)が下がりますし、翌日仕入が少なければ、利益率がまた持ち直ることになります。

 

これで仕入が普通なのに、粗利益率が下がるのは、雨が降って売上高があまり良くなかったとか、なにかしらの原因が見えますので、その日その日の数値の現状を見ながら販売戦略を練ることができます。

 

本来であれば、粗利益は

「粗利益(売上総利益)=売上高-売上原価(期首在庫高+仕入高-期末在庫高)」

 

……で計算されますので、上の表では

期首在庫高+仕入高-期末在庫高

……の期首在庫高・期末在庫高を加味しなければなりません

 

詳しくは「粗利益」と「売買差益」の違いを認識して、利益を管理していく方法

 

ですから、より正確に算出したければ、期首(1日の日)の仕入高に前月の期末在庫高をカテゴリー別に振り分けて書きこまなければなりません。

 

ですが、毎月棚卸を正確に行っていない……とか、だいたい毎月月末に在庫となる仕入高はほぼ同じだろうから……とプラスマイナスゼロ……とみなして、おおまかに管理しても良いかと思います。

 

利益の推移をおおまかに把握するだけの意図ですので、そこまで正確にやらなくても大丈夫ということです。

要はその日その日の粗利率のバロメーターとなれば良いわけです。

 

この仕分け作業を日々しっかり行っていれば、月末に売上・利益を絞めたとき、それぞれのカテゴリーごとに、仕入と売上からどのカテゴリーがどれくらいの粗利率を得ているかがわかるようになります。

もちろん途中経過が知りたければ、10日おきくらいにカテゴリーごとの粗利益率を算出してみても良いかもしれません。

 

これをものにできると、

「どのカテゴリーが売り上げに貢献していて、どのカテゴリーが粗利益率に貢献しているか」……

「どのカテゴリーが売上対策のカテゴリーで、どのカテゴリーが粗利益率確保のカテゴリーにするのか」

……などの販売戦略が明確に見えてきます。

詳しくは「粗利ミックス」を考えて販売戦略を構築する方法

 

部門責任者であれば最低限これくらいの把握はしたいものです。

スポンサードリンク

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA