牛肉ロース・ヒレ肉のスペックの作り方と商品化

牛肉の半身(半丸)を小分けにして真空状態で納品してもらうためのスペック(小分けの仕方)と、商品化できる用途について解説します。今回は牛肉半丸の中の最高の高級部位ロース・ヒレ肉についてです。

A4クラス以上の和牛はスペック化して、廃棄ロスがでないよう、真空パックで小分けしてパーツをうまく組み合わせながら使うことをお勧めします。

 

ロース・ヒレ肉に関してのスペック化は簡単で、リブロースは丸ごとの真空パックか、もっと小分けにするとしたら、カブリだけはずして2分割くらいが良いでしょう。

ロースであれば売れ行きによりますが、切り口に平行して3分割か4分割にすることがおすすめです。

特売であったり、売れる店であれば2分割でもよいでしょう。

定番商品としてロスを出さずに売り切っていくには、小分けして真空パックをかけておくことをお勧めします。ただし、小分けした場合、うまく平行に切り身にしていかないと最後に残る部分が、いびつな形になってしまいます。

お肉のスペシャリストであるこのサイトの読者の方々であれば大丈夫だと思いますが……。

 

ヒレ肉は1本を短めにするため2分割くらいがちょうどよいでしょう。(あまり売れない店であれば3分割でも……)高級部位で高額なため、1日にそれほどたくさん売れるわけではないと思いますので、真空パックをあけ、すべて商品化したら1日~2日で売り切って、ロスを出さないようなスペックにしましょう。

スポンサードリンク

 

<ロースとは>

 

サーロインステーキでおなじみ、ステーキ用として食すことのできる部位です。厚切りで焼いてもとても柔らかく甘味があります。もちろん、すき焼き・しゃぶしゃぶ用など、何にでも使えます。

ステーキ用として販売する際は、バラ山をそっくり落として、背脂は5㎜程度残し、背中の厚い筋は5センチくらいしっかりと取り除いて整形します。

1枚200gくらいでカットすると一番よく売れます。

バラ山や背脂が付いた状態で200gにカットするとステーキとしての厚みがなくなってしまうため、極力、盤を小さくして厚みが出るように思い切って整形します。

 

高く値段設定ができる部位なので、粗利益のことを考えるとバラ山でも背脂でも、ロースに付けたままにして少しでも高く売りたい……と思いがちになりますが、バラ山や背脂を取り除かずにロースにつけて切ると、200gのステーキでもペナペナの草履みたいなステーキなってしまいます。これをしてしまうとかえって逆効果です。

脂が多い草履みたいなステーキは商品価値がありませんので、売れずに鮮度が悪くなり、お客様に売れていない店の印象を与えるだけです。

それよりは、ステーキなのですから、しっかりとした厚みがある200gのステーキの方が魅力的のはずです。

200g以上のサーロインステーキとなると、値段も張ることとなりますので売りにくいです。

バラ山はしっかり取り除き、中落ちカルビとして販売しましょう。

(参考商品アイテム)

黒毛和牛霜降りサーロインステーキ……1280円/100g

黒毛和牛霜降りロースすき焼き用……1200円/100g

黒毛和牛霜降りロースしゃぶしゃぶ用……1280円/100g

黒毛和牛中落ちカルビ焼肉用……528円/100g(バラ山)

この中落ちカルビ焼肉用は、1パック150g前後にして、1パック800円くらいがよく売れます。

 

<リブロースとは>

ロース(サーロイン)と肩ロースの間の盤の厚いロースの部分です。

旨みのある脂肪分がたっぷり含まれ、肉質も細やかで柔らかく、最高に味わい深い部位です。

すき焼き用にするならカブリは付けたままでよいのですが、リブロースステーキとして販売するときは、カブリもバラ山も、カブリとロースの芯の間の厚みのある脂もしっかり取り除きましょう。

(参考商品アイテム)

黒毛和牛霜降りリブロースステーキ……1100円/100g

黒毛和牛霜降りリブロースすき焼き用……980円/100g

黒毛和牛霜降りリブロースしゃぶしゃぶ用……1080円/100g

しゃぶしゃぶ用が若干お値段が高い理由は、すき焼き用より薄く切るため、ロスが出やすかったり、1枚1枚ビニールで巻いたりなどと、いろいろと手間がかかるからです。

スポンサードリンク
 

 

<ヒレとは>

牛1頭のなかから2本しか取れない貴重な部位で、牛肉の中で一番柔らかいお肉です。

ヒレステーキでおなじみの超厚切りにしても柔らかく食することのできる部位です。

比較的、脂肪分が少なく、ヘルシーで女性に人気です。

 

「シャトーブリアン」とか「ミニヨン」などという名前を聞いたことがあると思いますが、このヒレ肉をさらに細かく分けた名前です。

 

「シャトーブリアン」はひれの真ん中の部分で細かくサシが入り柔らかく最高に旨みのある部分です

(参考商品アイテム)

黒毛和牛霜降りヒレステーキ(シャトーブリアン)…1500円/100g

黒毛和牛霜降りヒレステーキ……1380円/100g

 

「ミニヨン」とはヒレの尾のほうの先端にいくほど身の厚みが薄く小さくなってきます。

ここをステーキ用にカットしたミニステーキのことを言います。サシも少なくなり赤身が強くなってきます。

(参考商品アイテム)

黒毛和牛霜降りヒレステーキ(ミニヨン)……1280円100g

対面式でないセルフの売り場であれば、ステーキコーナーを4尺くらい確保して、A4クラスのサーロインステーキ・ヒレステーキ・ランプステーキをはじめ、交雑種、輸入牛…と価格と品質グレードを3段階の上中下にわけて明確に展開していくことをお勧めします。

A4クラス・交雑種は1枚入り2枚入りのアイテムを作り、輸入牛は3枚入り4枚入りなどのボリーュムパックで展開していきます。

 

では次回は「牛肉バラ肉のスペックの作り方と商品化」について解説します。

 

牛肉スペック化のすすめ

牛肉 内モモのスペックの作り方と商品化の方法

牛肉 外モモのスペックの作り方と商品化

牛肉丸モモ(シンタマ)のスペックの作り方と商品化の方法

牛肉ランプ肉のスペックの作り方と商品化の方法

牛肉肩バラのスペックの作り方と商品化の方法

牛肉シャクシのスペックの作り方と商品化の方法

牛肉肩ロースのスペックの作り方と商品化の方法

 

スポンサードリンク

 

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA