チラシの作り方

では今回は、「チラシの作り方」について説明します」
中小スーパーマーケットのチラシは下のチラシのように、価格訴求型のチラシが多いです。
こういう価格ばかりのチラシ構成になるのはなぜでしょうか?
<価格ばかりが目立つチラシになってしまうのはなぜか?>
それは毎日、朝から晩まで現場作業に追われ、忙しい中、毎週のようにチラシをまくので、チラシ構成を作る時間、チラシのテーマや掲載商品のアイテムを考える時間が、片手間となってしまっているからではないでしょうか?
チラシ構成を考える人も、タイトルを考えるだけで、精いっぱいなのではないでしょか?
それゆえに、ある程度、チラシの構成パターンや、枠取りを決めてしまい、
毎週、各部門のチーフ(主任)か、部門長に
「日替わりの、目玉商品〇点、その他〇点、通し特売品〇点出品してください」……と、いつもと変わらない出品数を、依頼するだけになってしまいます。
これが一番、手間のかからない安易な方法だからです。
しかし、これだと、各部門から、好き勝手に出品された、チラシアイテムの集合体のチラシとなりますので、ただ”安くなっている商品のリスト”でしかありません。
もちろん、下のチラシのような季節に応じたテーマの訴求や、料理、イベントごとなどに沿ったアピールは伝わりません。
店として、訴求したいこと、お勧めしたいことも伝わりませんし、まとまりもありません。
ただ、「今週安くしているものは〇〇ですよ」……の価格訴求でしかありません。
チラシがマンネリ化し、面白味がありません。
お客様は、「あ~また〇〇スーパーのチラシが入ったよ」程度のことしか伝わりません。
スタッフも、価格に頼るだけの仕事しかできなくなります。
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<テーマを訴求したチラシの作り方>
スーパーマーケットとして生き抜くための、テーマを訴求したチラシの作り方を説明します。
まず、販売促進チームを結成し、そのチームのスタッフがチラシ作成を取り仕切ります。
そのチームが、チラシの販売促進計画を立てます、
一回ごとのチラシ作成は、チラシテーマの構成から出品依頼、出品商品を選出、商談、校正、印刷……など、完成まで3ヶ月位は準備を要します。
ですから、チラシ販促計画は最低でも、3~4ヶ月位先までは、販売促進計画を進めておかなければなりません。
①チラシ折込日程を決めます。
②それぞれのチラシのテーマを決めます。
毎週なにかしら、テーマはあるものです。
季節ごとのテーマがないときは、下のチラシのような「中華フェア」や「地方の特産品祭り」でもいいと思います
③チラシ構成のレイアウトを作ります。
(例)
この週は「土用の丑の日」だから、A面はウナギと牛肉がメインで、日替わり特売はB面下段…などとし、イラスト調で良いので、チラシレイアウトイメージと掲載商品イメージをおおまかに作ります。
④各部門にそのチラシレイアウトとともに、チラシテーマの主旨を説明し、出品アイテムと点数を依頼します。
⑤各部門で、そのテーマに沿った出品アイテムを検討し、仕入れ先業者との商談をし、チラシ掲載商品の決定をします。
⑥出品期日までに、販売促進チームに出品アイテムを提出し、掲載商品の説明と掲載にあたっての要望を提示します。
⑦販売促進チームは、全部門の出品アイテムをまとめ、印刷会社へチラシ作成を依頼します。
⑧印刷会社からチラシイメージが出来上がってきたら、各チラシ訴求品の大きさのバランス、文字サイズ、色合いなどと、価格などの入力ミスがないか校正をします。
⑨思うようなイメージに仕上がったら、印刷のGoサインを出します。
⑩最後に、それぞれのチラシ訴求品をどうやって売り場で展開していくか?
<どうやって、売り場で展開するか>
「”のぼり”や販売促進ツールで必要なものは何か…」などを検討します。
この繰り返しをして、データーをしっかり残しておき、次の、または来年の販売促進計画に生かしていきます。
同じ、土用の丑の日の販促計画を立てるにしても、前回の反省材料と、今回新しく挑戦していくことを織り交ぜながら、毎回やるごとに、前回よりグレードアップさせていきます。
チラシを作っただけではダメです。
それら出品したチラシアイテムを、どこの売り場で、どのくらいのスペースをとって、どのように展開していくか……までつきつめて、販促計画を各部の部長、主任に報告させます。
チラシは、安さを訴求するだけでなく、日本の季節に応じた、四季折々のイベントを楽しんでもらったり、地方の美味しい特産品を紹介したり、その時その時のお祭りのテーマを訴求しながら、お客様に美味しく食を楽しんでもらうために使うべきだと思います。
チラシレイアウトをつくるのも、センスと感性が必要になります。
魅力のある商品を発掘したり、お客様にご提供するまでの、販売プロセスを作り上げる企画力も必要になります。
他店、他企業のチラシやポスターなどを研究し、自分たちの感性と企画力を磨いていくべきかと思います。
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<チラシで、売り上げを上げるポイントは?>
「プラスアルファの売り上げを作る工夫をすること」…であります。
「極端に安い価格を打ち出した訴求で、単品の量を多く販売してプラスアルファ…」 ではありません。
いつもの特売品以外の何かを紹介するなりして、プラスアルファの商品をお勧めするようなことであります。
チラシには、ほとんどが、ABC分析による売れ筋のA商品・B商品を出品していると思います。
それはそれとしてよいのですが、それだけではダメです。
C商品・D商品にも着目するのであります。
D商品の中にも「売れそうで売れないもの」や、「売れなそうでも、ポツポツ売れているもの」に目を向けて出品してみるのである 。
例えば、 精肉コーナーに「生の豚レバー」があります。この商品の売上高の割合は、低い方に位置します。ABC分析によると、D商品である。
他店のチラシをみても、この商品がチラシ掲載商品として出品されているのを、あまり見かけたことがありません。
しかし、この豚レバーをチラシに掲載し、効能を少し加えて、 健康にいいことを書くと、意外や意外、何倍にもなって売れました。
そして、他の商品と用途がバッティングしないため、 プラスアルファの売り上げとして、売上UPに貢献しました。
これが、A商品である「豚ももスライス」を98円/100gでチラシに掲載すると、この「豚ももスライス」自体は、平常時の何倍も売れるのですが、結局、他の豚肉スライス関連が売れなくなります。
豚肉同士で、売れる商品がスイッチするだけなので、売り上げが、余計にONされることがほとんどないので、売り上げUPは難しくなります。
「豚ももスライス」単品は売れているので、売り上げがUPしている気にはなるが、トータル的には、あまり伸びてはいないことになります。
このように、他と、用途がバッティングしない商品や商品グレード が違うものなど、いつもチラシに掲載されない商品に目を向けて、販売企画を練り直してみます。
どこの部署でも、そういうプラスアルファになり得る商品は、隠れているはずです。
それを掘り起こして、紹介の仕方・お勧めの方法を考えて、売れ筋ではない商品をあえて掲載していきます。そして、POPなどで売り方を工夫します。
<テーマ訴求や企画もののチラシの結果は?>
≪チラシの打ち出しかたで面白いことがわかりました≫
そこそこ価格を安くして、価格をメインに打ち出したチラシは、平常時の売り上げの110~120%にしかなりません。
「企画もの」のチラシを打ち出したチラシは、平常時の売り上げの130~140%にも売り上げが上がります。
「企画もの」とは……例えば、
◆駅弁大会
◆○○のおみやげ品市
◆ギフト半額訳あり品セール………などであります。
これを実施すると、いつもメインで販売促進をかけているチラシアイテムを出品する数が少なくてすみます。
「企画もの」で集客することができるため、 通常の商品は平常時の価格で販売でき、売り上げUPができるようになるのです。
そして「企画もの」は、いつも販売していないものがプラスアルファの売り上げとして大量に販売でき、売り上げが確実にONされます。
また、同じ企画を年に何度もやらないことから、チラシのマンネリ化の防止にもなります。
このようにチラシは、
「今回は、どんなものをプラスアルファの売り上げを作るか!?」
「今回は、どんな企画・テーマで演出するか!?」… を考えることで、売り上げは確実に上がっていくことがわかりました。
ですから、さまざまな企画の成功事例をいくつも豊富に築き上げていくことが大事だと思います。そうすることにより、 マンネリ化を防ぎながら、売り上げUPを、雪だるま式に増やすことができるのである。
また、生鮮品などは、実際の商品の品質やグレードが見えにくく、チラシで伝えることが難しいところがあります。ですから、そこをどうやって
「当店の商品は、この品質がこのおどろきの価格である」……ということをどうやって伝えていくか
「当店では、このような品質の良いものを中心に、豊富に取り揃えている」……ということを、どうやってアピールしていくか……などを追求することが大事であります。
そして、誇大広告は、絶対にダメだめです!
チラシでは美味しそうに見えたのに実際の商品はがっかり…… では、期待して来店してくれたお客様を裏切ることになります。
満足感と納得のいく商品提供で、お客様の幸せのために貢献していくことを持続していけば、チラシで固定客を増やしていけます。
それにより、着実に確固たる売り上げ向上が図れるのであります。
その他「スーパーーマーケットのチラシはどうあるべきか」を参照にしてください。
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