年末に「良く売れるもの」と「売れなくなるもの」(精肉部)

年末の最後の3日間は売れるものが平常時とは全く違ってくるのはご承知の通り……

年末の3日間に良く売れるものと、売れ行きが鈍ってくるものを整理してみます。

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牛肉の年末商戦    

まずは当然のことながら、牛肉は良く売れます。

牛肉の中でもA4.A5ランクの最高級の黒毛和牛が飛ぶように売れます。

普段良く売れていた輸入牛はあまり売れなくなります

ですから1年を通じてこのクラスの黒毛和牛を定番商品として販売して来なければ、年末の集客は見込めません。

 

<すき焼き・しゃぶしゃぶ>

その中でもやっぱり「すき焼き・シャブシャブ用」がメインとなります。

黒毛和牛の「ステーキ用」や「焼肉用」も普段より売れますが、「すき焼き・シャブシャブ」の需要は圧倒的です。

特に「すき焼き用」となるいい部分だけをバッサバッサ切り落とした400〜500g入りの「お徳用すき焼き用」みたいなものは100g当たり680円くらいで良く売れます。

 

シャブシャブ用は手間がかかりますが、丸皿に1枚1枚丁寧に並べて盛り付けたものが良く売れます。

すき焼き・シャブシャブ用…共に、黒毛和牛・国産牛の2本立てで価格帯にバリエーションを設け、それぞれに霜降り肉・赤身肉の品揃えをします。

これらの「すき焼き・シャブシャブ用」は飛ぶように売れて行きますので、売場スペースを最大限広く取ります。

 

<切り落とし>

普段、牛肉の中で一番良く売れているのはどのお店も恐らく「切り落とし」だと思います。

しかしこの3日間は「切り落とし」はそれほど売れなくなります。

ですから切り落としの品揃えは

  • 黒毛和牛切り落とし ………498円/100g
  • 黒毛和牛赤身切り落とし…528円/100g
  • 国産牛切り落とし…………398円/100g

……の3種類に絞って、それぞれ300g〜400gくらいのサイズで販売すれば良いと思います。

売場スペースは3フェイスの縦陳列くらいとれば十分です。

 

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<ステーキ>

ステーキも同じく黒毛和牛・国産牛の二本立てで、サーロインステーキがメインになると思います。

黒毛和牛肩ロースのザブトンやミスジのステーキも良く売れます。

それぞれ2枚入りと1枚入りの品揃えだけで補えると思います。

ヒレステーキ・赤身のステーキは黒毛和牛か国産牛どちらかだけでもいいと思います。

 

<焼肉>

焼肉用も同じく、黒毛和牛と国産牛で品揃えをします。

カルビ焼肉用でも、三角バラや友バラを手切りにして品揃えと価格帯のバリエーションをつけます。

もちろん赤身の部位で焼肉用の商品化もします。

 

牛タンはここぞとばかり国産牛の牛タンを扱ってみてはいかがでしょうか?

メインはアメリカ産チルドの牛タンがお勧めです。

 

<牛肉年末商戦>

売り場は「すき焼きコーナー」「シャブシャブコーナー」「切り落とし」「カレーシチュー」「ステーキ」「焼肉」……と、料理の用途別に縦割りでキレイに仕切った方が良いでしょう。

悪い例は「黒毛和牛コーナー」「国産牛コーナー」「輸入牛コーナー」……など牛肉のランク別に分ける方法です。これは非常に買いにくい選びにくい……となる陳列方法です。

 

年末は牛肉の交雑種あたりを半丸単位で、A4.A5ランクの黒毛和牛は肩セット・モモセット・ロースセットで購入するのががお勧めですが、A4.A5黒毛和牛の肩セットを多めに仕入れるとロスが少なく商品化がしやすいです。

 

そして、年末3日間は価値ある部位ばかりが良く売れて、切り落としやカレーシチュー用になるような端材部位はダブついていきますので極力、年末最終3日間に突入する前までにそれらの部位を先行して販売し、価値ある部位は年末最終の3日間、大晦日お正月用にとっておきます。

 

豚肉の年末商戦      

豚肉に関しては年末最終3日間は売場を広げようが何をしようがそれほど売り上げは上がりません。豚肉売場のスペースは最低限に留めておき、可能な限り牛肉の売場を広くとります。

良く売れるアイテムは、肩ロースを4分割して焼き豚用に糸巻きをしたものやバラ肉ブロックです。

また、ロースのしゃぶしゃぶ用がよく売れます。

普段良く売れている「豚肉の小間切れ」や「挽肉」は極端に売れなくなります

ですから年末最終3日間に突入する前に「ウデ肉」を先行して販売し少なくしておくのと、挽肉になる端材もなるべく出さないように丁寧な作業をより一層心掛けていかなければなりません。

 

ですから年末に関しては、売れるものと売れないものが極端に偏りますので、豚肉セットを仕入れる比率を最小限にして、ロース・肩ロースとバラ肉をパーツ単品で仕入れると良いでしょう。

そうすればロスなく作業でき、売上作りに集中できます。

それでも挽肉用の材料はダブついて冷蔵庫たまってしまいますので、適当な量のビニール袋に入れて冷凍してしまうと良いでしょう。

 

豚肉のスライス関連はまとめ売りで3パック1000円などまとめ売りで量販することをおすすめします。

 

鶏肉の年末商戦       

鶏肉は年末、需要が伸びます。

それはご承知の通り「お雑煮用」としての需要です。

 

鶏肉はどのグレードの鶏肉を選ぶか……になりますので、料理の用途別より品種ごとに陳列した方が良いでしょう。

例えば、「名古屋コーチン」を上段に横一列に陳列したら、その下には「赤鶏コーナー」を作り縦割りで銘柄鶏をコーナー化します。

アイテムは「モモ・ムネ・ササミ・お雑煮用」くらいで良いでしょう。

残りはメインとなるブロイラーですべてのパーツを品揃えしますが、普段から「日南どり」など付加価値のあるひとランク上の鶏肉をメインで販売していくことをおすすめします。

ブロイラーでも年末3日間の売れ筋商品は決まっています。

「モモ肉」と「お雑煮用」に細かくカットしたものがダントツに需要があります。

お雑煮用は「モモ肉の雑煮用」が「赤鶏」「日南どり」どちらも良く売れます。

この3点で鶏肉の売上の大半は締めてしまうことでしょう。

 

その他の部位は、いつもより少しばかり多く売れる程度ですので、年末だからといって仕入れすぎは危険です。注意しましょう!

それと忘れてはならないのが「鶏ガラ」です。

お雑煮用の出汁を取るために良く売れます。

前もって製造し順次冷凍保存して貯めておき、最終3日間の需要で一気に放出します。

 

ハム・ウインナー加工品の年末商戦    

年々売れ行きは減ってきていますが、クリスマスころから「ハム・焼豚のブロック」関連の需要が高くなります。

平常時にはほとんど売れないこれらの商品が、クリスマス・おせち用としてガンガン売れるようになるのはご承知の通り……。

最近では大きなサイズでボリュームがあり価格が低いものより、小さくて美味しいものの方が売れる傾向があります。

クリスマス前までに加工品のアイテム数を整理して、ハムブロックコーナーを大々的に設置するスペースを確保します。

 

 

牛肉・豚肉・鶏肉・ハム加工売場のスペースのバランスを全体的に考え、できるだけ牛肉のスペースを広くとれるように考えるといいでしょう。

 

この期間の主要なアイテムは仕入れた日と量、また残った数など、こと細かくデーターとして残しておきましょう。

それが必ず翌年の年末に役に立ちます。

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