スーパーマーケットの事業目的と使命(2つ目)
スーパーマーケットの事業目的と使命の1つ目は、スーパーマーケット(企業として)の顧客は誰か? その顧客を幸せにするにはどうしたらいいか?……を考え
その一方で今回は、我が社(企業として)の顧客は、スタッフもそれにあたるのでは?…… と考えました。そうすると、お客様同様に、
「スタッフにも、笑顔と満足感を提供し、幸せを与える」 には、どうしたら良いか?
スタッフの幸せのために何をするか?
これを考えることも、企業の使命ではないか……ということになります。
<スタッフが会社に求めるものは何か?>
「我々が、お客様に何を売りたいか?」……ではなく
「お客様が何を買いたいのか?」……を問うのと同じに
「会社がスタッフに何をしてあげたいのか」……ではなく
「スタッフが何を求めているか?」……という視点で考えればいい……ということになります。
そのためにはまず、 「スタッフが我が社に求めるものは何か?」 ……を、調査するため、スタッフに無記名アンケートで士気調査を行います。
そしてスタッフが、我が社に、 「何を求めて」「何を欲し」「何を望んでいるか?」 ということを理解し 「スタッフの声・不満・問題点」 ……を見いだし改善策を構築していきます。
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<スタッフ士気調査アンケート>
Q.あなたがこの会社で働く目的は何?
・生活のため・自己向上 ・ 自分の構想を実現したい……など
Q.この会社で働くことによってどうなりたい?
・出世して尊敬されたい ・優越感を味わいたい
・そこそこ生活できればいい……など
Q.この会社でどういう立ち位置でいたいか?
・どんどん昇進して上に上がりたい
・部長職位まで… 主任クラスまで…
・平社員のままでいい ・社員になりたい……など
Q.あなたは、残業なしで定時で帰宅したいですか?
Q. 残業手当はつきませんが、それでもそのほうがいいですか?
Q.休日・休暇・勤務体系・勤務時間にたいしての要望はありますか?
Q.今の仕事(作業)に満足していますか?
・他の部署に挑戦してみたい ・○○部へ行きたい……など
Q.我が社の誇れるところは、何だと思いますか?
Q.我が社の強みは何だと思いますか?
Q.我が社の弱いところはなんでしょうか?
Q.自分の思い描いている仕事ができていますか?
Q.我が社で成功した仕事は何ですか?
Q.我が社で失敗した事例は何ですか?
Q.一生懸命やった仕事は何ですか?
Q.一生懸命やらなかった仕事は何ですか?
Q.仕事が楽しいと思えるときはどんなときですか?
Q.どうすれば、お客様に「当店が好き!」と言ってもらえるでしょうか?
Q.給与はどれくらい欲しいですか?
Q.それを取得するにはどうしたら良いと思いますか?
Q.給与システムはどうあるべきだと思いますか?
Q.会社は誰のものであると考えていますか?
Q.我が社に「満足である」と感じることは何か?
Q我が社に「不満である」と感じることは何ですか?
Q.我が社に求めることは何ですか?
……などなど、スタッフの不満や問題点を、これらのことから分析していきます。
上記のアンケートの結果から、給与・賞与などの報酬に関しては、おおよそ次のようなアンケート結果になるのでは?……と思います。
◆頑張って認められても「がんばってるな~!!」と声をかけてくれるだけで、賃金的な報酬は変わらない。
「頑張っても頑張らなくても給与は変わらない」実態が見える
これでは「頑張ろうという意欲が薄れる」
◆「どう頑張って、どうなれば、どのくらい給与や賞与がもらえるのか……」など、賃金や処遇の仕組みが全く見えない
◆「入社以来、給与が上がっていない」
「この会社にいたら一生この給与のままだと思う」
「自分の将来が全く見えず、生活設計の夢が描けない」
◆「賞与はほとんどないに等しいし、成果の有無による格差が反映されていないように感じる」
これらの意識の上で就業している現状では、
「この会社にいる間に、他の良い会社を探そう」……などと 、次の就職先を見つけるまでの、腰掛け社員となる傾向が見受けられるようになります。
本気で仕事に取り組もうという気持ちにはならない……ということです。
これでは、決められた就業時間だけ、仕事をしているふりをして 現状にあぐらをかき、士気が上がらない社風が蔓延化するのは、当たり前であります。
売り上げ向上を図るにも、スタッフの力なくしては成し遂げられません。
スタッフの「やる気」 「士気」が低いと、ま~ず目標は達成できないのでしょう。
なぜならば、売り上げ向上の一番の要素は、スタッフの「やる気」であると考えられるからです。
「この給与の金額はもらえて当然!」
「今、自分がしている仕事は、この給与水準は当たり前である」 ……などと、
今の仕事に対して、現状の給与額を当てはめ、感謝の心を忘れ、”当然のこと”…としか、思わないようになってしまうのであります。
ですから、給与を無尽蔵にアップしても、すぐに元の木阿弥になります。
給与は、標準額の最低レベルまで、スタッフの士気に大きく影響します。
しかしそれを越えると、評価の公平さや、意欲がわくような意識付けのシステムのほうが、「やる気」にさせるのに大きな影響力がある。……といわれているのです。
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では、 スタッフが会社に何を求め、望んでいるかを要約してみましょう。
◆どうすれば自分の明るい将来像が見えるようになるか明確にしてほしい。
◆評価されるモノサシを明確に示してほしい
◆我が社の将来目標を示して欲しい
◆職責と報酬が一致し、バランスのとれた賃金システムにして欲しい
・・・ など、大まかに要約すると、
スタッフが我が社に望んでいることは、4っに分けられます。
①「賃金システム」とその運用方法を明確にすること
②「自分の将来像」を描ける会社にすること
③「やりがい・生きがい」を仕事によって感じたい。
④「頑張って生き生きと働きたい気持ち」を生かせる職場にして 欲しい
・・・でありました。……?
全国リサーチの結果でも、給与に対する不満は、
「賃金が高い・安い」という給与水準そのものより、
賃金システムや、その運用に関することのほうが多いといわれています。
これらの調査結果をふまえて、「我が社ができること・改善すべきこと」を考えます。
これは、基本中の基本である、会社を支える大きな柱となる人事制度を見直し、現代社会にあったシステムを、構築しなければならないのでありましょう。
◆職責や職務遂行能力が、報酬と一致した賃金システムと、その動かし方
◆評価基準を制定し、それを運用していく方法
これらを見直し、明確に開示していくことが必須となるでしょう。
<スタッフに幸せになってもらうには?>
一般的に、企業が年商10億円を越えたら、それまでのどんぶり勘定的なワンマン経営から脱却し、システム化された組織化を図らなければならない……と言われています。
しっかりとした思想に基づき明確化されたシステムを作り直し、組織的に会社を運営できるように構築していかないと、次から次へと問題が発生し、足踏み状態が続くということです。
なぜならば、店舗数が増えて、売上高が増えれば増えるほど、これらが確立されていないと組織として機能しきれず、全ての対策が「行き当たりばったり」で「やっつけ仕事」になるからであります。これは「成長」ではなく「ただの膨張」です。
こんな「行き当たりばったりの経営」をしているとそのうちに、
経営基盤が悪化し始め、優秀な人財も徐々に去り、衰退の一途をたどり始めるようになります。(詳しくは「個人商店から企業組織へ変革の必要性」をご覧ください)
中小・零細企業のほとんどは、家業が成功して大きくなってきた会社で、恐らくそのほとんどの会社が、組織的な面では優秀とは言えないでしょう。
年商10億円壁を越えた頃に、組織基盤をしっかりと構築し、家業から企業へと脱皮できるかどうかで、その会社の将来も大きく変わって来るのです。現状を改善せず放置していると、優秀なスタッフが次々と、見切りをつけて退職していくという大きな問題が最初に発生してきます。
……これは、会社にとって一番の財産である人財能力という資産をなくしていくことになるということなのです。
スタッフが定着せず、頻繁に入れ替わっていると、会社の運営も先に進まず安定しません。
そして、会社は育たず、会社レベルは年々下がり、衰退の道へ進むこととなります。
ですから、スタッフの士気を向上させ、定着率を高めるための「評価制度」や、「賃金システム」を、今の会社の規模・今の時代にマッチしたものに革新し、明確に示していくことが重要なのです。
全国での、仕事に対する意識調査の結果
「スタッフが職場でどんなとき¨生きがい¨を感じるか?」という項目では、
①仕事が面白いと感じるとき
②自分の仕事を達成したとき
③自分が進歩・向上していると感じるとき
④自分の仕事が重要だと認められたとき
⑤仕事に責任を持たされたとき
……となっています。そうであれば、
「仕事のテーマ・責任」を一人一人に与え、達成感を得られる環境を作ってあげることが重要であると考えます。
◆ひとつステップアップしたら、また次の目標に向けて、自己をレベルアップしていくシステムの構築。
◆役割分担や、責任の範囲を示すシステムの構築。 ……など
これらの項目の達成感を、体感できるようなシステムを構築することによって、「やりがい」や「生きがい」を感じることができ、人生を豊かにすることができる……と思うのです。
ということは、第二の顧客であるスタッフに対して
「笑顔と満足感を提供するために」
≪スタッフの人生が豊かになるよう
「やりがい」と「生きがい」 の場を提供し幸せになってもらう≫
……ということを、企業として推進していくことが重要であると考えるべきでしょう。
そして、会社とスタッフが、一丸となれるような人事制度をつくり、スタッフの幸せになれる場所を構築していくことが、スーパーマーケットの事業目的と使命の2つ目……になるのではと思います。
では引き続き、「スーパーマーケットの事業目的と使命の3つ目である食を通じて地域社会に貢献する」をご覧ください
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