売り上げを上げたいと思うなら、考え方の主観を現場優先主義におかなければなりません

売上げが伸びない会社ほど会議が多く、提出書類が多いものです。

売上が伸びている会社ほど販売戦略の施策を議論する会議をしています。

 

売上が伸びない会社のリーダーたちは、ディスクワークに多くの時間を費やしているものです。

売上が伸びている会社のリーダーたちは、現場に張り付いて采配を振るっています。

 

どこの企業もお店も、一番に考えることは売り上げを伸ばすことです。

いくら利益率が良いからといっても、母体となる「売り上げ」が少なければ経営が成り立ちません。ですから利益率を下げてでも売り上げを確保しようと躍起になるわけです。

スポンサーリンク

売り上げを確保して安定した経営を運営するには、利益の中から人件費や家賃などの費用を差し引いた経常利益を確保していかねばなりません。

ですから最低限の利益額はこれくらいになる……という損益分岐点があるわけで、そこから数字を落とし込んでいくと、売り上げ予算はこれくらいないとダメ……ということになっていきます。そこから売り上げ予算を各部署に割り振って組んでいくわけです。

 

このように会社は売上予算という数値目標の上で成り立っているものですから業績を数値で計るのは当然のことですので、本部での会議は会社の業績を数字で話し合っていきます。

しかし現場を預かっている人たちの会議は数字だけの議論ではダメなのです。

 

現場会議で「それぞれの部門に売上予算をどのくらいずつ落とし込めば店全体で目標の売上予算に達成する」……などと、売上予算を割り振り、実績数値との差を理解させることは大事ですが、それだけではダメということです。

スポンサードリンク

 

ダメな会社の現場会議の進め方       

KipさんによるイラストACからのイラスト

ダメな現場会議は、理想とする売上・利益の予算額を組むだけで終えたり、前月の売上・利益の数値結果はこうでした……などという実績の動向を各部署のリーダーが発表し、売上が伸びなかった要因もはっきりせず、お決まりの「来月は頑張ります!」の精神論だけで終えてしまうことで良しとしている会議の進め方です。

 

良く見られるのが「売上目標が〇〇に対して売上実績が〇〇で、粗利益率が〇〇%となりました。」……などと、数値結果の実績表をそのままただ読み上げ、少し反省点を述べるだけで終わるような会議です。

 

また「報告するためだけに招集されたような会議」や、「ワンマン経営者や店長などのトップダウンの話だけで終える会議」もありがちで、これらのような会議ばかりしか行われないのはダメな会議の進め方です。

 

会議の参加者が意見を言わない……言えない……言ったら自分が損をする……などというような雰囲気を作り出している会議もダメな会議です。

結局そういう雰囲気の会議になっていることで、トップダウンの一方的な話で終わる演説会になってしまったり、結果報告だけして改善策を議題に上げようとしない風潮が出来上がってしまうのです。

 

もっとひどい会社になると、会議で決まった事案・事項を右から左へと聞き流し、現場にまったく反映させていないことがまかり通っている会社です。

 

「そんな会社あるの……?」と思うかもしれませんが、結構、中小企業の会社にありがちです。

会議で決まった事案・事項が現場で実施されていないことに対して何も指導しないのでは何のために会議を行っているのか疑問になります。

 

これらのような会議をしている会社は、「会議をした」という名目のためだけに集まっているといっても過言ではないでしょう。

 

理想とする会議の進め方            

hakuさんによるイラストACからのイラスト

会議では理想とする売上・利益予算はどうなのか……実績はそれに伴っているのか……という話が中心になることが多いのかもしれません。

 

しかしその程度のことは配布された実績表を見ればわかるわけであって、会議の議題として一番肝心なのはそこからなのです!

 

予算は成長戦略の数値目標のはずなのに、到達不可能と思われる予算を組むだけで満足し、到達させる施策も練らずに「達成できるのかな~」と心配しているだけでは意味がありません。

売上予算は売上目標であり目標は高く設定されるものですから、その売り上げを達成するにはどうしたら良いか?……が一番肝心なことになるのです。

 

そんなことは重々わかっている……と言われると思いますが、会議では数字に関しての話題が多く、そこから売上を上げる施策をどうするか……どんなイベントを仕掛けるか……また現場作業の効率化や活性化をより良くする方法がないか……などをじっくりと話し合われていないことが多いかと思います。

各部署にそれぞれの売上・利益予算を割り振り、どこまで達成できたか……という実績数値を把握するのは当然のことですが、肝心なのはその予算を到達させる施策を議題にし、売上を上げるために何をするか……の考案を出し合い試行錯誤することなのです。

 

売上が伸びている企業やお店はそれができているところなのです。

 

提出書類が多い会社ってどうなの?           

 

毎日の日報を反省文形式で書かせたり、何かにつけて提出書類をやたらと書かせている会社ってどうなのでしょうか?

 

提出された書類が店長なり管理職の方がしっかり目を通し売上アップのための材料になっていれば良いのですが、ひどいところは提出させるだけで管理職者が目も通さないケースが多々あります。

 

「考えて書かせて提出させることに意義がある」という管理職者もいますが、目を通していないことはすぐに部下に見透かされます。

そうなると提出する側は「どうせ読まれることのない書類だ……」と、考えるのも書くのもいい加減で適当に終わらせるようになり、売上アップの材料になることはありません。

それでも一応提出しなければならないので、あまり意味のないディスクワークに時間を取らざるを得ないことになります。

これこそ無駄な時間の創設です。各部署のディスクワークが増えるだけで売上アップのためになっていないケースとなり得るのです。

 

そんな無駄なディスクワークをする時間があるのなら、その分もっと部門長として現場に張り付いて、商品の動き、スタッフの動き、お客様の動向……などをしっかり見て采配を振るった方がよっぽど売上アップにつながります。

 

結局、管理職者が部下に日報などの提出書類をやたらと課して、仕事をさせている……している気になっています。これって間違えた時間活用の仕方をしていると思いませんか?

 

ダメな会社ほどこれらの会議名目や提出書類のために、現場を指揮し采配を振るわなければならないリーダーたちの貴重な時間を毎度毎度招集し取り上げてしまっていることに気が付いていません。

しかも「それが仕事である」……かのごとく、頻繁に会議・会議を連発し日報など提出書類を書かせ、現場そっちのけで仕事をしている気になっています。

 

現場を知らない管理職者がいると会社は傾く      

これは都心で頑張っている中規模なスーパーマーケットで行われた実際の話です。

 

多くのスーパーマーケットの食品グロサリーは、大手卸売問屋さんからケース単位で仕入れ、倉庫に保管し、売場に商品補充をしていると思います。

発注のサイクルに関しても、納品日の1週間くらい前までに在庫の減り具合を予測して発注しなければならないと思います。

それぞれの最低発注ロッドがケース単位で決まっていますので、在庫するための倉庫が必要になっていると思います。

在庫をストックするということは、資金を眠らせることになるわけです。

 

しかしこの中堅スーパーマーケットの食品グロサリー部門には、小さいながらも小回りのきく問屋さんがバックアップしてくれていて、定番商品に関しては前日の夜までに発注したものを翌日の朝9時には納品してくれるのです。

しかも驚くことに1ヶ単位で納品してくれるんです。

Aという商品を8ヶ、Bを2ヶ、Cを4ヶ……などと、定番売り場の陳列棚に補充したい数だけ手元の端末でバーコードを読み込ませ数量を打ち込むだけでいいのです。

ですから翌朝開店前に納品された商品を売り場にただ補充すれば良いだけですので欠品することがありません。

何をさておいても1日に売れる数だけ発注すれば良いので在庫を持たないで済みますので倉庫も必要ありませんし、資金を眠らせることもありません。

だからといって1ヶ当たりの納品単価が高いか……といえば、まったくそんなことはありません。大手卸売問屋さんと同じような価格で納品してくれます。

 

恐らくそんな問屋さんはめったにないことで、「えっ!そんな問屋さんがあるなら紹介してほしい」……と思うことでしょう。

 

あるときこの中堅スーパーマーケットの管理職者が退職し、その後継者が育っていないためにその任に就かせるために中途採用で管理職者【A】が入ってきました。

その管理職者【A】が勤めていた前職場のグロサリー部門では大手卸売業者とお付き合いしていたようで、お決まりのグロサリー倉庫を持ち、ケース単位のロッドで仕入れ、相当な在庫数を倉庫にストックしていたようです。

 

当然ながらその管理職者【A】は、新天地であるこの中堅スーパーマーケットでお付き合いしている1ヶ単位で納品してくれる卸売問屋さんがバックアップしてもらえるメリットに驚き、「こんな素晴らしい卸売問屋さんは大事にすべきだ」……と言うかと思いきや、なんとその管理職者【A】が勤めていた前職場でお付き合いのあった大手卸売業者と入れ替える……と言い出したのです。

 

納品ロット・発注デリバリ・納品単価・倉庫不要……どれをとっても、現行の小回りの利く卸売問屋さんを利用するほうがメリットが大きいことは明白……。これこそ、この現場にあった最善の利であると誰もが口を揃えてそう言います。

 

しかしその管理職者【A】は、自分が中途採用で入社して、管理職として何かを改革しなければならない……と思ったのか「よそのスーパーマーケットは大手卸売問屋を利用している、ここもそうしなけれない」……と、大手スーパーマーケットのやり方に、わざわざ最大のメリットを捨ててまで「右へならえ」をさせようとします。

この中堅スーパーマーケットの食品グロサリーの強みは、まさにその小回りのきく卸売問屋さんのお蔭で無駄な作業や人件費・倉庫代を削減させる強みを生かしているのに、現場を知らずに形式にこだわっているとこのようなことが起きるんだと思いました。

 

中堅スーパーマーケットクラスになると、それぞれがそこにあった「地の利」・「人の利」をうまく生かして強みにしています。

それぞれの現場の「地の利」・「人の利」の状況を何も知らないで、大手スーパーマーケットの教科書通りに模倣したやり方の型にはめようとすると、中堅どころのスーパーマーケットというのは途端に売上が減少し始めます。

だって大手スーパーマーケットのやり方をマネしても、大手スーパーマーケットを超えることができないのは目に見えることで、差別化も強みもない中堅スーパーマーケットは淘汰される道しかないからです。

当然ながらそんな四角四面の発想しかできない管理職者【A】はすぐに管理職者として不適切と判断され隅へ追いやられることになりました

 

それぞれの現場には他の店にはマネのできない強みをそれぞれに持ち合わせています。

デリバリが良い農家や養鶏場・養豚農家と太いパイプでつながっていて、常に鮮度の良い品物を毎朝一番に納品してくれる場所にある「地の利」を生かした店であったり……。

 

寅さんのように口八丁手八丁、売り込みセールスがとてもうまいスタッフが何人も抱えている「人の利」を持っている現場であったり……。

 

販売戦略を組むのがうまいスタッフを何人も抱えて常に面白い売場が展開することができている「人の利」を生かした現場であったり……。

 

それぞれの現場で自分たちの現場の強みを知り、それを生かし他店との差別化を図っていくことがとても大事なわけで、やはりそれぞれの現場の「地の利」「人の利」を理解しようともしないで教科書通りの型にはめようとすると、この競合が激しい業界で生き残っていくことは困難と言えるでしょう

ですから現場を知ることから始め、現場の状況を主軸においていろいろな販売戦略を練るというスタンスに考え方の主観を持ってこなければならないでしょう。

スポンサードリンク

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA