人事制度のあるべき姿は?

スタッフの人生が豊かになるよう

≪「やりがい」「生きがい」の場を提供し幸せになってもらう≫

このことを果たすために、まずは「人事制度のあるべき姿」はどのようなものが望ましいか……を考えます。

≪人事制度のあるべき姿≫

人事制度といっても、さまざまな項目があります。

・人財募集システム

・教育システム

・賃金システム

・評価制度をどうするか……などであります。

 

「企業は人なり」と言われるように、 一番基本となる重要なことは、 人財をどう集め、どのように育てて優秀な人財を増やしていくか?……であります。

 

しかし、悲しいかな……中小スーパーマーケット業界には、人財が集まりにくく、求人募集しても応募自体が少なく、人財を選べる状況には至らない……ということが現実であります。

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中小スーパーマーケットに人財が集まらない理由を調べてみますと、

1960年~70年代頃、日本にスーパーマーケットという業態ができたとき、家業の延長のせいもあって、企業としての規模が小さく利益額が少なかった。

家業の延長のため、会社としての福利厚生や待遇条件・給与など、すべての面で劣っているのは明白で、

「社会的に見て、地位の低い仕事」…というレベルでありました。

・今で言う「キツイ・キタナイ・キケン」の3Kの職

・自分の子どもに、やってもらいたくない仕事

そしてその後 、大手総合スーパーマーケットや、コンビニエンスストアーの成長が軒並み激しく、中小スーパーマーケットは、時代に取り残されたような職場……という印象が強くなってきました。

要は、「憧れるカッコいい仕事」の部類に属していないということであります。

恐らくこれが、人財が集まらない要因のひとつではないかと考えられます。

中小スーパーマーケットに、それらのイメージがある以上、そのイメージを打破していくには、他の業界と比較しても劣らない、メリットのある待遇を示す必要があるのではないでしょうか。

それと、「カッコいい」と思える、パフォーマンスを見せる職場にすることも大事だと思います。

見るからに、汚いエプロンにボサボサ頭……はきのない店員…

これでは、悪いイメージを助長するものになるのは、当然のことです。

スタッフが輝き、やる気に満ちている姿を見れば、少しでも、”憧れる職場”…と感じてくれる人が出てくるのでは……と期待します。

それには、既存スタッフがイキイキと働けるように、スタッフ雇用の待遇面も、重要なことになるでしょう。

どこの会社でも、人事制度は保守的なものになりますが、中小スーパーマーケットであるかぎり、人事制度を革新的なものに、するかしないかで、業績が大きく変わってくることと考えます

では、スタッフの人生が豊かになるように、まずは、 人事考課の査定評価制度について考えます。

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人事考課査定評価制度について

私が理想であると思う人事考課査定評価制度は、降格された人でも、昇格を目標にして頑張りたい人でも、自分の評価点数が、評価項目ごとに明確に示され、納得が得られるようにするシステムことであります。

 

給与・賞与額を決定するにあたって、

・何を対象に決定したら良いか?

・何を能力として見なすべきだろうか?

・売上・利益の業績か……?

それとも、個々が持っている能力か…? 姿勢か……?

……まず、これらを明確に示す必要があると思います。

能力は、業績だけで評価することは、困難であると考えられます。

個々に、明確なノルマを課せられる営業職なら、個人の業績をモノサシにすることが可能であります。 しかし、 チームワークで業務を遂行する、スーパーマーケットでは、個人の業績を明確にすることは、そう簡単ではありません。

ですから、業績だけで、個人の評価をするべきではないのです。

 

評価対象とするべきものは

給与や昇格については……姿勢や能力に比重をおきます。

賞与に関しては…………業績に比重をおいてもよいと思います。

業績の有無に対しては、給与でなく、賞与に反映させて配分することが望ましいと考えます。

賞与は、会社で得た利益を配分することですから、業績をたくさん上げた店や部門が、その成果に対して、賞与原資をより多く配分されることが望ましいからです。

 

そしてそれをさらに、部門内のスタッフに割り当て配分しますが、このときは、部門に配分された賞与原資を、個人の評価査定に応じて配分されることが望ましいでしょう。

業績とは、売上・利益の成果のことであります。

では、個々の姿勢や能力の成果とは、何を意味するのでしょうか?

ある本に、とてもわかりやすい例えが書かれていたので紹介します。

姿勢や能力は、車に例えると 、

時速100km出そうと思ったら、自分の意思でアクセルを踏み込む。

追い風・向かい風などの状況は様々だが、アクセルの踏み方は、自分の意思だけで、いかようにも調整できる。

だから、

◆アクセルは、「取り組み姿勢」となる

◆エンジンは、「能力」

◆ガソリンは、「知識

ガソリンという知識をドンドン投入して、アクセルを踏み込み、どれだけエンジンという自分の能力を引き出せたか?

……これが「取り組み姿勢」と「職務遂行能力」の成果となる (講談社:人事のプロ:長尾基晴著作)

これらの「業績」・「姿勢」・「能力」を、評価対象の区分けとして、個々の評価査定に結びつけることを基本として、人事考課査定システムを、確立していくことがベストだと思います。

昨今、世間でも能力主義が見直され、年功序列の給与制度を改革する企業が増えてきていると言われています。

能力主義の人事考課を、確立するに当たって大事なことは、

「何を」「どのように」「誰が」「いつ」評価するのか…?

ということを明確に示すことだと思います。

これが、スタッフが一番気にするところであるからです。

これが明確に示されなければ「公正公平な評価」と、認めてもらえないのであります。

 

では、年功序列の給与制度を廃し、終身雇用も夢ではない能力主義の人事システムを作ることは可能でしょうか?

 

<終身雇用を可能にする人事システムとは?>

時代の変化と共に、年功序列の終身雇用は、終わりがきているといわれています。

働く方も、いろいろな価値観で、働き方を選択するようになり、一ヶ所の働き口に、骨をうずめるような意識はなくなってきているようです。

「何かあれば、転職すればいい」……みたいな考え方に変わってきてます。

そんな時代だからこそ、年功序列ではなく、自己の能力開発を成し遂げる基準によって評価が受けられ、尚且つ終身雇用ができる……そんな「安心感」と「やりがい」のある人事システム作りが、必要だと思ういます。

 

スーパーマーケット業界でも、若い世代の方が、売上・利益に対しての貢献度が高く、戦力となっているところがあります。発想能力も、時代にマッチしたアイデアを生み出す潜在能力をもっています。

長く勤めてきた高年齢になるスタッフの、経験知識や技術力には敬意を払いますが、ある一定の年齢から貢献力が下がり始めているスタッフが出ていることも否めません。

 

こうなると、給与額の増減はもちろんのこと、社内での序列や立場の入れ換えをせざるを得ない状態になります。それをしなければ、人件費はふくらむ一方となるのです。

能力向上のあるスタッフには、それなりに付与し、能力降下のみられるスタッフは、下げざるを得なくなるということです。

社内の序列を入れ替えることができないと、若手で能力のあるスタッフに給与の昇給ができず、能力のないものに高い賃金を支払い続けなければならない…という、逆転現象が起きます。

これでは、若くて能力があり、会社の戦力として、膨大な力を発揮しているスタッフに、賃金報酬として報いることができなくなり、若いスタッフは伸びず、それと同時に企業も伸びないでしょう。

この逆転現象を、強硬的に解消しようとすれば、強引にリストラをして、高年齢のスタッフを、早期退職の方向へ追いやることになってしまいます。

これは、「降格させるよりひどい仕打ちだ」……と思う方もいることでしょう。

これでは、会社もスタッフも幸せにはなれません。

一般的に、「昇格させたら、それを降格できない」「昇給したものは減給できない」「だから、古株で能力もなくはびこっているスタッフは早く辞めてほしい」……などと 、長く会社に貢献したスタッフを精神的に追い詰めて、辞職に追いやる会社もあると聞き及びます。

そのような形で会社を辞職していくよりも、

「自分の能力レベルを確認し、納得ができる降格のほうがいい…」

そして、定年まで働いてもらったほうが、会社にとってもスタッフにとっても、良いことではないか……と思うのであります。 共に幸せを共有しながら勤められます。

このような方式が成り立ち、能力のある若いスタッフに賃金報酬を上乗せできれば、若いスタッフの士気の向上にも、影響させることができるでしょう。

 

要するに、「降格されるスタッフも、その降格人事が妥当である」と納得させることができ、 能力に応じた賃金や役職などの処遇を与えることができる、公正公平な人事考課査定システムが、重要になってくる……ということであります。

年功序列を排しながら終身雇用ができる、公正公平なシステムを維持することは、若くて能力のあるスタッフの士気を向上させ、企業を伸ばしていくための条件として、欠かせないシステムなのです。

そこで注目されるのが、人事考課査定システムであります。

 

これらのように、人事制度のあるべき姿は、人事考課査定評価制度を明確に示し、個々に納得の得られる方向で、会社も個人も、双方にとってベストな着地点を見出すシステムを確立することだと思います。

では次は人事考課査定評価制度について「人事考課査定評価の項目と採点方法」をご覧ください

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