勤務シフトの作り方
勤務シフトは繁忙時や閑散時に応じて適切な人数を配置させるうえで重要になるものです。
繁忙時に人員数が少なければお客様にご迷惑をかけてしまいますし、閑散時に余剰人員を抱えていれば人件費は無駄に増えてしまいます。
勤務シフトは適切な人件費で運営していくために、なくてはならない必須のツールです。
しかしこの勤務シフトを作成するのはけっこう大変です。
なぜ大変か……というと、労働基準法による労務管理上、1日に働かせることができる時間は決まっています。
そして昨今では、時間給で勤務するパート・アルバイト比率を高め、およそ70%くらいをこの時間給勤務者で賄っているからだと思います。
この時間給勤務者であるパート・アルバイトさんは、主に家庭の主婦であったり、学生さんであったり……と、プライベート生活の時間が主体で、あいた時間を有効に働く方たちです。
この方たちの多くはそれぞれに都合があり、働ける日時が異なります。
この時間給勤務者であるパート・アルバイトさんの多くを雇用し、それぞれの都合を加味しながら、シフトにうまくあてはめていかなければなりません。
これらの調整を毎月しなければならないのですから大変なのです。
うまくシステム化しないと、このシフト作りだけでひと仕事になってしまい、シフト作成に奔走し相当な時間をとられてしまいます。
シフト作りを任されている多くの方が短時間でシフト作成できる方法があればいいのに……と思っていると思います。
今回は、これまで七転八倒して四苦八苦していた煩雑なシフト作りを簡略化し、短時間でシフト作成できる方法を紹介いたします。
スポンサードリンク
ありがちな悪い作り方は、雇用しているスタッフの、それぞれの都合を最優先に考えすぎてシフトを作ろうとすることです。
これをしていると、閑散時に余剰人員を抱えてしまったり、繁忙時にスタッフが足りない……という状況が絶対に出来てしまいます。
スタッフの都合が最優先ではなく、お店がどの時間に何人必要か……を最優先に考え、それぞれのスタッフがそこにどう当てはまって行くか……という順序で構築していかなければ収拾がつきません。
スタッフ人員配置シュミレーションをし、基本パターンを作成する
時間帯ごとに何人必要であるか、何時間単位で人員を入れ替えるか……をひと目でわかる構図をシュミレーションします。
時間帯ごとに何人くらいスタッフを配置しなけばならないかは、現場で把握していると思います。
何時間単位で人員を入れ替えるかは、労働基準法の観点から、4時間以上は15分の休憩を与えなければならないことと、年収130万円を超えたとき社会保険に加入させなければならないこと、またパートさんの103万円の壁の問題点から、基本的に1日4時間~6時間くらいまでで区切るのが良いと思われますしょう。
では具体的にスーパーマーケットのレジスタッフの人員配置シュミレーションで紹介します。
具体的に来店客数からレジの処理能力を換算し、レジの必要台数から人員配置シュミレーションが下記のようだとします。
10:00から14:00までの4時間は、お客様の来店数が少ないのでA~Dの4台のレジを稼働させ運行します。
Eは主に社員で、サービスカウンター業務を行いながら、レジが滞りなく流れているかを見極めながら、必要に応じて応援に入ります。
14:00からスタッフF~Jに入れ替わり、5台のレジが稼働します。
16:00から20:00まで来店客数がいっきに増えますので、K~Mのレジをさらに稼働させます。
Kはレジを稼働させるのではなく、2人制といって、混んでいるレジをスムーズに流すための要員となります。
18:00からはN~Sのレジスタッフに入れ替わり、L・Mのレジと合わせて8台のレジが稼働するようになります。
22:00以降になると来店客数も減ってくることから、3~4台で賄えるようになり、0:00閉店でレジを閉めて終了となりる……という感じになっています。
N~Sのレジスタッフ及びEのレジ社員は、勤務時間が6時間以上となるため、間の 黄色の部分が休憩時間になります。
このようなが基本的な流れができましたら次は、曜日によって混み具合も違ってくるでしょうから、その違いを考慮して、上記の基本パターンを基に曜日ごとの基本パターンを作成します。
1週間の基本パターンが決まったら、時間帯ごとに1週間分の必要なレジの本数が明確になりますので、そこに入れるスタッフをあてはめていけばいいわけです。
例えば、上記の基本パターンでA~Dに入っている、鈴木・高梨・山田・石川さんは週に3~4日勤務だとすると、当然休みの日もあるわけです。
そこを補うスタッフが必要になります
1週間の7日間、全ての曜日でこの時間帯のレジが4台稼働すると「7日×レジ4台」で1週間分の本数は28本ですから、10:00から14:00のレジは28本分埋めればいいわけです。
単純計算で、週4日勤務のスタッフが7人いればいいことになります。
それ以上極端にこの時間帯のスタッフを雇用してしまうと、週4日働きたいスタッフが週3日とか2日しか働けない……ということにもなってしまい、希望の金額が稼げないなら辞める……ということにもなりかねません。
1日4時間で週5日働きたい人もいれば、週3日だけしか働けない方もいます。。
ですから、それぞれの働きたい時間や最低限稼ぎたい金額など相談の上、その欠員部分となるスタッフを募集し雇用しなければなりません
そしてその雇用条件を把握したうえでシフトにあてはめていく必要があります。
スポンサードリンク
雇用条件を把握する
雇用条件とは
- 週何日勤務したいか
- 出勤できない特定の日、曜日などがあるか
- 土・日・祝日の勤務は可能か
- 勤務時間は1日何時間を希望するか
- 勤務を希望する時間帯はどの時間帯か
……が基本になります。
シフト作りは新規雇用する時点からある程度スタートしています。
時間帯ごとに何人必要で、何人分の欠員がでているのかを把握して足りない分を補うようにしなければなりません。
悪い例は、雇用する際に人柄だけで採用してしまうことです。
人柄は最も重要なのですが、働ける時間や曜日が同じ人を何人も雇用しても、必要人数は限られていますので、実際、働かせることができる人数は限られてきます。
時間帯・曜日ごとに雇用登録する人数の適正化もしなければなりません。
それぞれの時間帯ごとに適正なスタッフ数を雇用したら、あとは出勤する曜日のパターンを決め基本パターンを作ってしまいます。
例えば、1レジのAを稼働させる鈴木さんは月・水・金・日の4日間出勤するとしたら、単純に考えると火・木・土の3日間出勤したい方を雇用すればいいわけです。
そうすれば1レジの1週間分の10:00から14:00は全て埋まるわけです。
そう単純にはいかないでしょうが、同じ時間帯のスタッフごとにそれぞれの希望をできるだけ考慮しながら、それぞれの出勤する曜日の1週間分の基本パターンを作ってしまえば良いわけです。
そして毎週その基本パターンで勤務してもらうだけです。
シフトの微調整
あとは、それぞれ出勤しなければならない曜日に、何か予定が入って出勤できない場合があります。
これは、それぞれの時間帯ごとをひとつのチームとして扱い、同じ時間帯のチーム内で多少のイレギュラーの微調整を行います。
チーム内のスタッフに出勤日の交換をしてもらえばシフトに穴があくことはありません。
シフトを作成する前の段階であれば、シフト作成者がこれらの調整を行なうべきですが、出来上がったシフトの運用がスタートしてから急な予定が入ってしまった場合の変更は、〝持ちつ持たれつ″各自チーム内で相談し合ってシフトに穴が開かないようにしてもらえばいいわけです。
この基本パターンを一度作ってしまうと、微調整だけで済みますので、シフト作りに時間がかかることがなく、他の仕事に取り組むことができるようになります。
スポンサードリンク
この記事へのコメントはありません。