賞与額の決定方法と配分方法

賞与原資として配分できる額の設定方法

を解説します。

営業利益の実績は、全店トータル半期で月平均830万だとします。

全店半期合計=830万×6ヶ月=4880万

それと、賞与引当金として、留保しておいた費用1120万と合わせて、4880万+1120万=6000万

全店半期トータル営業利益を6000万だとします。

 

この中から、会社の必要経費を差し引くと、 残った金額が、賞与原資となります。

ここでは仮に、賞与原資3000万としてみます。

 

この3000万という、全店トータル営業利益6000万の半分…50%に設定したのも特に意味はありません。

これも、各企業によって、賞与としてどれくらいの割合で営業利益から支給できるかを設定すればいいと思います。

ただ、できるものであれば、その支給できる割合くらいは透明にして、スタッフに明確に示した方が、スタッフの士気が高まると思います。

 

では、ひとまず、会社組織として、役職者から一般社員までの、賞与の報酬バランスが必要になるので、おおよその配分割合を仮に、設定したいと思います。

 

これは、一般社員が役職者を、上回る報酬となってしまうことを避けるためであります。

重要なポストについている人が、一般社員の報酬より下回るようなことが起きれば本末転倒!

…出世意欲を削ぎ、向上心がなくなってしまうからであります。

 

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では、賞与原資額3000万を、おおよその賞与報酬額にあてはめ、バランスをとりながら仮配分してみたいと思います。

これは、賞与原資額が3000万のときに、それぞれの人員数を換算して、それぞれの役職が、平均いくらくらいの賞与額になるか、配分バランスを見るために調整し、平均配当金額を仮に設定するものであります。

 

★賞与配当バランス仮設定額

≪本部≫

常務 80万 × 1人 = 80万

本部長 70万 × 1人 = 70万

各部門長 50万 × 6人 = 300万

事務 23万 × 6人 = 138万

予備       =  69万

α 本部割合分 合計 ★657万

 

≪店舗≫

            (店舗数)   (総人数) (全店費用)   (1店舗平均)

店長    55万 ×  1人 × 3  =  3人   165万     1人 55万

副店長   45万 ×  1人 × 3  =  3人   135万     1人 45万

主任    35万 ×  5人 × 3  =  15人   525万     5人1753万

レジ主任  33万 ×  1人 × 3  =   3人   99万     1人 33万

副主任   32万 ×  4人 × 3  =  12人   384万     4人 128万

一般社員  27万 × 11人 × 3  =  33人   891万    11人 297万

レジ社員  25万 ×  1人 × 3  =   3人    75万     1人 25万

事務    23万 ×  1人 × 3  =   3人    69万     1人 23万

β 店舗割合分             合計2343万     計 25人◆781万

 α (657万) + β (2343万) =  合計3000万   

仮に、本部と店舗のおおよその平均支給額を上記のようにしてみました。

これらは、それぞれの会社によって、役職の責任の重さ、職務内容などにより、「このくらいは支給したい」という額が異なるでしょうから、会社ごとに、それらの内容を加味して、額を振り分け、設定配分してみるといいと思います。

ただ、役職がついて、責任ある立場にいるのに、一般社員といくらも支給金額が変わらない……ということだけは避けなければなりません。

しっかりと、格差をつけて支給できるように設定しましょう。

 

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≪役職ランク別配当率を算出≫

次に上記で決めたランクごとの平均額がそれぞれ、賞与原資3000万に対しれどのくらいの配分割合になるかを算出します。

本部の役職者は、会社全体の数値に関わる責任を担っているので、賞与原資額全体の3000万に対しての配分割合で設定します。

先ほど設定した額を全体の賞与原資で割れば、それぞれ役職ごとの、配当率が算出されます。

そして、そのランク別配当率に人数を掛け、本部スタッフ全員分合計すれば、本部のトータル配当率の合計が算出されます。

≪本部≫

    (報酬額)   (原資) (ランク別配当率)   (配当率合計)

常務   80万 ÷ 3000万 =  2.67%  ×  1人 2.67%

本部長  70万 ÷ 3000万 =  2.33%  ×  1人 2.33%

各部門長 50万 ÷ 3000万 =  1.67%  ×  6人 10.02%

事務社員 23万 ÷ 3000万 =  0.77%  ×  6人 4.62%

予備   69万 ÷ 3000万 =  2.30%  ×  1人 2.30%

                 本部配当率 合計 21.94%

ここでは、21.9%となりましたので、これに3000万を掛けます。

3000万×21.9%=657万

そうすると、3000万に対して、本部役職者全員分の支給総額は、657万ということになります。

 

≪店舗≫

続いて、店舗の賞与原資額は、

全体の賞与原資額3000万から本部割合分657万(★印)を差し引くと2343万となり、

3店舗平均で換算すると

β 店舗平均配当分 = 合計2343万÷3店舗=781万(◆印)…となります。

この額が、1店舗当たりの平均の賞与原資です。

そして下記のように、まず、先で設定した、それぞれの役職者報酬額から一般社員の報酬額を引けば、それぞれの役職報酬額が算出されます。

それを、1店舗の平均配当金額で割れば、それぞれの役職手当分の配当率が算出される…ということです。

 

(役職者報酬ー一般社員報酬)÷店舗平均割合分=役職手当分の配当率

       (役職ー一般社員)

店長    ( 55万 ー 27万 ) ÷ 781万  =  3.5%

副店長   ( 45万 ー 27万 ) ÷ 781万  =  2.3%

主任    ( 35万 ー 27万 ) ÷ 781万  =  1.0%

レジ主任  ( 33万 ー 27万 ) ÷ 781万  =  1.0%

副主任   ( 32万 ー 27万 ) ÷ 781万  =  0.6%

一般社員        27万            0%   ←基本ベース

レジ社員  ( 25万 ー 27万 ) ÷ 781万  = ▲0.3%

事務社員  ( 23万 ー 27万 ) ÷ 781万  = ▲0.6%

                        計7.5%

これに、それぞれの店舗によって、役職者の配置されている人数を掛けます

店長  : 1名          3.5%

副店長 : 1名          2.3% (兼:主任) (副店長1.3%+主任1.0%)

主任  : 5名   1.0%×5人  5.0%

レジ長 : 1名          1.0%

副主任 : 4名   0.6%×4人  2.4%

        役職手当率合計 14.2%  

すると、この店舗の役職の配当率の合計は14.2%とになります。

役職手当分の報酬額は、=781万×14.2%=110.9万

各店の賞与原資額(781万)から、役職者全員分の役職手当分(110.9万)を差し引けば、役職手当分を除いた、役職者も含めた全員分の基本賞与原資額(670.1万)が算出されることになります。

           781万ー110.9万=670.1万

……となり、 この額を店舗内の総人数で割ると

           670.1万÷25人=26.8万…が1人当たりの基本ベースになります。

 

そしてこの一人当たりの基本ベース平均額に、役職手当を上乗せすれば、それぞれの役職者の支給額が算出される…という考え方であります。

要するに役職者は、

平均配当額に、役職手当分が加算されて支給される…という考え方であります。

例えば、店長であれば

781万×3.5%=27.3万(店長手当分)

(社員基本ベース)26.8万+(店長手当分)27.3万=54.1万

……が店長の報酬額となるわけです。

同様に、それぞれの役職者ごとに指数で算出すれば良いのであります。

 

この社員基本ベースは、重労働、危険度のある環境を考慮されて額と考えています。

レジや、事務職は、この業務環境が異なるため、その考慮された部分が含まれません。

そのため、下記のように、社員基本ベースから、マイナス指数が掛けられ、一定の割合が差し引かれた額が基本ベースとなるという考え方をしています。

例えば、

781万×▲0.6%=▲4.7万

(社員基本ベース)26.8万ー4.7万=21.4万(非生産部門の報酬額)

……のような形です。

 

これらはあくまで、おおまかな平均額の算出方法の考え方であります。

しかしこれでは、頑張ったスタッフもそうでないスタッフも、このままでは格差をつけて支給することができません。

 

そこで、まず、もととなる賞与原資を、各店の貢献度の応じて配分する額に格差をつけます。各店の実績によって、店舗への支給額を変えるのです。

 

さらに、店舗内においても、部門の貢献度に応じて配当率を上下させ、支給額を変えます。

要するに、実績を上げ、貢献した部門は、高い配当率で部門に支給されるということです。

そして、部門内のそれぞれのスタッフでも、査定評価の点数に応じて、さらに格差をつけていけば、それぞれのスタッフに公正公平な賞与額を、配当することができるのであります。

 

ただ、ここで単に部門への配当率を掛けて算出したのでは、人数の多い部門では、部門に支給された配分額を頭数で割ると、一人当たりの支給額が少なくなってしまうのでは……という心配が出てくると思います。

 

これでは、同じ貢献率を上げた部門が2部門あったとすると、人数の少ない部門のほうが、一人当たりの支給額が多くなってしまい、不公平になります。

 

そこで、賞与額を、査定評価の1ポイント当たりの金額に置き換えて、各部門全員分の総ポイント数を配分できる形をとるのです。

そうすれば、人数の多い部門でも、少ない部門と変わらない条件で、自分の評価が得られたポイント分が割り当てられ、公正公平に配分されることになるのです。

これが、おおまかな実績に応じた賞与の配分方法です。

 

これらの詳しい算出方法は、「賞与額を店舗に、貢献度に応じて配分する方法」で解説します

人事考課 「給与・賞与の決定方法は?」

業績の成果の有無をどのように賞与額に置き換えるか?

部門の貢献率を算出する方法

賞与額を部門とスタッフへ、貢献度に応じて配分する方法

賞与額算出シュミレーション(店舗)

賞与額算出シュミレーション(本部)

 

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