賞与額算出シュミレーション(本部)

では次に、常務、本部長、部門長、本部事務員の賞与額算出方法について解説します。

 

本部は、賞与原資額3000万のすべての額に対しての配当率で計算します。

 

店舗は、店舗の数字に責任がありますので、このすべての賞与原資3000万から、自分の店の貢献率で割り当てられ配分された額をもとに、それぞれのスタッフの配当割合が決まりますが、

本部は、会社の実績すべてに対しての責任がありますので、すべての賞与原資をもとに、それぞれ配分されるという考え方です。

 

本部のスタッフは、常務、本部長、各部門長、事務社員です。

まず、常務と本部長に関しては、役職ランク別に設定された配当率を、そのままストレートにすべての賞与原資(3000万円)に掛けるだけで、個々の賞与額を算出します。

常務と本部長が、評価ポイントを加味されないのは、営業利益実績がすべてだからです。

<常務・本部長の配当額算出>

   (賞与原資額)(役職ランク別配当率)(配当額)

常 務:3000万 × 2.7% = 81万 

本部長:3000万 × 2.3% = 69万

 

では、部門長はというと、それぞれの部門の全店ベースの実績に責任がありますので、

各部門全店分の実績合計の貢献率に応じて、配分される方法をとります。

 

自分が管理している部門で、1店舗だけ良くてもだめなのです。

あとの店舗の達成率が悪ければ、当然、部門全体として、悪くなる結果になりかねません。

主任であれば、自分の店舗の部門だけしっかり管理して、実績を達成させれば評価されますが、部門長は全店の自分の部門が良くならなくてはなりません。

しかし、裏を返せば、1店舗悪くても、他の店でその分を取り返すことができるともいえます。

では、貢献度に応じた部門長の配当額を算出してみましょう。

 

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部門長の配当額を算出>

部門長の配当率は、1.66%で、各部門で6人の部門長がいますので、これを賞与原資3000万に掛けて、部門長全体の賞与配当額を算出します。

   (全店賞与原資)(役職ランク別配当率) (人数) (部門長総配当額)

部門長:3000万 × 1.66% × 6人 = 300万

 

では、各部の実績から達成率を算出します。

<各部全店計 粗利額達成率>

  A店B店C店合計
精肉期待値294.0万613.2万571.2万1478.4万
実績305.3万618.0万609.0万1532.3万
達成率103.8%100.8%106.6%103.7%
青果期待値351.0万655.2万693.0万1699.2万
実績358.8万663.0万714.0万1735.8万
達成率102.2%101.2%103.0万102.1%
鮮魚期待値294.0万764.4万520.8万1579.2万
実績290.7万769.5万565.5万1625.7万
達成率98.9%100.7%108.6%102.9%
惣菜期待値357.0万730.8万851.4万1939.2万
実績375.7万756.0万887.5万2019.2万
達成率105.2%103.4%103.1%104.1%
食品期待値1005.0万552.6万684.0万2241.0万
実績1009.5万550.9万712.8万2273.2万
達成率100.4%99.7%104.2%101.4%
日配期待値531.8万916.6万1448.4万
実績530.2万931.2万1461.4万
達成率99.7%101.6%100.8%

 

この達成率合計から、貢献率を算出します。

※貢献率算出方法は、「部門の貢献率を算出する方法を参照して下さい

 

<部門全店計の貢献率を算出>

    (達成率)             (貢献率)(部門長評価ポイント)

精肉:103.7%-100%=3.7%÷15.0%=24.7%  70P

青果:102.1%-100%=2.1%÷15.0%=14.0%  60P

鮮魚:102.9%-100%=2.9%÷15.0%=24.7%  70P

惣菜:104.1%-100%=4.1%÷15.0%=27.3%  70P

食品:101.4%-100%=1.4%÷15.0%=9.3%  70P

日配:100.8%-100%=0.8%÷15.0%=5.4%  60P

         合計15.0%     100%  400P

部門長総配当額300万を、成果額(20%)と均等額(80%)に分けます。

そして、各部部門長の評価ポイントが上の図の右の数値だとします。

(総部門長配当額)(成果率)(成果額)

成果額:300万 × 20% = 60万

成果額1P当たり:60万÷(部門長ポイント計)400P=0.15万

均等額:300万 × 80% = 240万

均等額1人当たり:240万÷6人=40万

 

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<貢献度に応じた1P当たり各部門配当額算出>

1ポイント当たりの成果額が、0.15万ですので、6部門分では

(1P当たり成果額)0.15万×6部門=0.9万

 

これを、成果額20%と均等額80%に分けます

(6部門計ポイント)(成果率) 

成果額=0.9万 × 20% = 0.18万

(6部門計ポイント)(均等率)

均等額=0.9万 × 80% = 0.72万

    0.72万 ÷ 6部門 =0.12万

 

この1ポイント当たりの成果額0.18万に、それぞれ各部の貢献率を掛け、均等額0.12万を足せば1ポイント当たり各部の配当額が算出されます。

 

    (貢献率)(1P当たり成果額)  (各部成果額)   (均等額) 1P当たり各部配当額

精肉:24.7% × 0.18万 = 0.0445万 + 0.12万 = 0.1645万

青果:14.0% × 0.18万 = 0.0252万 + 0.12万 = 0.1452万

鮮魚:19.3% × 0.18万 = 0.0347万 + 0.12万 = 0.1547万

惣菜:27.3% × 0.18万 = 0.0491万 + 0.12万 = 0.1691万

食品: 9.3% × 0.18万 = 0.0167万 + 0.12万 = 0.1367

日配: 5.3% × 0.18万 = 0.0095万 + 0.12万 = 0.1295

          100%                               0.18万  + 0.72万  =        0.9万

 

では、数字が出揃ったところで、部門長の配当額を算出したいと思います。

 

<部門長配当額を算出>

(1P当たり各部配当額)(評価ポイント)(成果額)       (均等額)        配当額

精肉:0.1645万 × 70P = 11.5万 + 40万 = 51.5万

青果:0.1452万 × 60P =  8.7万 + 40万 = 48.7万

鮮魚:0.1547万 × 70P = 10.8万 + 40万 = 50.8万

惣菜:0.1691万 × 70P = 11.8万 + 40万 = 51.8万

食品:0.1367万 × 70P =  9.5万 + 40万 = 49.5

日配:0.1295万 × 60P =  7.7万 + 40万 = 47.7万

                 60.0万   240万   300万

……ということで、貢献度の高い順に配当される格好になるのであります。

 

では次に本部の事務社員の配当額を算出してみます。

 

<本部事務社員配当額を算出>

本部事務の総配当額は、下記の138.6万でした。

 

(総賞与原資) (配当率) (人数)(本部事務社員総配当額)
3000万 × 0.77% × 6人 = 138.6万

      (本部事務社員総配当額)     (成果額)      
成果額20% = 138.6万 × 20% = 27.7万


成果額1P当たり= 27.7万 ÷ 300P =0.092万

均等額80% = 138.6万 × 80% = 110.9万
均等額1人当たり=110.9万 ÷ 6人 = 18.5万

aさんからfさんのも評価ポイントは下記のようだとします。

 

 (評価ポイント)(1P当たり成果額)   (成果額)  (均等額)   配当額
aさん 70P × 0.092万 = 6.4万+18.5万=24.8万
bさん 60P × 0.092万 = 5.5万+18.5万=23.9万
cさん 50P × 0.092万 = 4.6万+18.5万=23.0万
dさん 50P × 0.092万 = 4.6万+18.5万=23.0万 
eさん 40P × 0.092万 = 3.7万+18.5万=22.1万 
fさん 30P × 0.092万 = 2.8万+18.5万=21.2万
小計300P         27.7万+110.9万=小計 138万

・・・・となります。

これらの算出方法は、スタッフに、「どうなればどのくらいの賞与を得ることができるのか……」を明確にしてあげれば、士気も高まり、売り上げもUPすることでしょう。

 

それぞれの店舗の賞与額算出シュミレーションは「賞与額算出シュミレーション(店舗)」をご覧ください。

 

人事考課 「給与・賞与の決定方法は?」

業績の成果の有無をどのように賞与額に置き換えるか?

賞与額の決定方法と配分方法

賞与額を店舗に、貢献度に応じて配分する方法

部門の貢献率を算出する方法

賞与額を部門とスタッフへ、貢献度に応じて配分する方法

 

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