スーパーマーケットが安売りイメージで成功する方法
スーパーマーケットが、安売りイメージを打ち出して、成功するにはどうすれば良いか!?
<安売りというものを勘違いしているお店>
中小・零細スーパーマーケットの現状で、ありがちなのは、「安く売ろう!安く売ろう!」が合言葉のようで、毎週のように、安い価格をメインにしたチラシをまき、特売商品を目立つように、あちこちに展開しています。
ナショナルブランドの商品ばかりを特売していると、利益がとれなくなるので、少しでも粗利益率が良いものを……と、だんだんと、三流ブランドの特売が、幅を聞かせるようになっています。
オープンケース内や、ゴンドラ内の定番商品は一応、粗利設定がしっかりしているので、そのままの状態で販売していますが、その反面、安いイメージを打ち出したいがために、あれもこれもと、三流品などの特売商品が増えてきて、すきあらば…と、売り場のあちらこちらに、ダンボールのまま大量陳列してあります。
ひどい店になると、「うちの店は安いものがたくさんあるぞ~!」と言わんばかりに、オープンケースの定番商品の前に陳列し、販売してます。ひどいものは、”要冷蔵の商品”なのにおかまいなしで、ダンボールで前出しの”常温”で販売している始末です。
当然、通路をふさぐ格好となり、ショッピングカートや、乳母車では買い物が出来ない状態になります。
小さなお子様を抱えた乳母車のお客様は、はなっから、こういう不便な店には来店しなくなるのは当然のことですし、ショッピングカートを利用できないということは、買い物かごを手に持って買い物しなければなりません。
そうなると、たくさん買うと重たいので、買いたいものを控えるようになります。
当然、客単価が下がります。
かといって、その通路をふさいで、買い物をしにくくしている前出しされた商品を見ると、これといって別に、魅力のある商品ではありません。不要な商品が、通路の進行妨害をしている状態です。
しかし、前出しされた商品は、一応、手に取りやすいため、売れますので、「売れた!売れた!」と”売り上げが上がっている”と勘違いをします。
そしてその反面、通路をふさぐだけでなく、定番商品の前に積んでいるので、オープンケースが売り場として機能しなくなり、本来売らなければならない、オープンケース内の定番商品が売れなくなります。
その結果、オープンケース内の定番商品は、スカスカの穴あきだらけの売り場となります。
これで売り上げが下がることには、気が付きません。
それだけならまだしも、前出ししてある商品がたくさんあるので、オープンケースの上は掃除が行き届かず、ほこりまみれで、使い古したPOPが散乱していたり、商品補充を楽にできるように、ケースの上が倉庫代わりに、ちょこちょこと在庫置き場になっていたりします。
これらの結果から、”客単価も下がる”……”客数も減る”、……自分で自分の首を絞めるようなことになっています。
それでも、そこで働いているスタッフは、
「自分たちの店は、競合店より安いものがたくさんあり、お客様に貢献している」
……と思い込んでいる方たちが、なんと多いことか……。
この悪循環に気がつかずに営業しているスーパーマーケットを見ると、
「あ~この店は終わったな~!」と思わずにいられません。
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<「安い店」というイメージで成功させるには>
では、中小スーパーマーケットで、安い店であるというイメージを打ち立て、成功させるにはどうすればいいでしょうか?
スーパーマーケットで、「当店は、安い!」…というイメージを顧客に知らしめたい場合、
経営手法から根本的に見直し、運営方法をディスカウント手法に切り替えるべきです。
定番商品も充実させたスーパーマーケット手法とディスカウント手法を両方こなすなんてことはできませんし、逆にそれをすると、逆効果です。”2足のわらじは履けない”のです。
ディスカウント手法とは、
ディスカウント店を意識した価格設定をするのは当然のことなりますので、常に、すべての商品において競合店の価格を下回るように努力します。
特売コーナーをあちこちに設置し、ダンボールむき出しの大量ボリューム陳列を展開します。
定番商品の棚の中でも特売品を打ち出し、エブリデイロープライスで、商品の品揃えをします。
カテゴリーやアイテムだけはしっかり押さえておき、それらの中で欠品がないようにすれば、定番商品を決めることにはこだわらず、とっかえひっかえ、売り場内で展開することもできます。
POPは、赤や黄色を使った大きなもので、価格の安さが目立つようにアピールします。
人件費をかけないように、最低限の人数でできる作業オペレーションを作ります。
新規開店時に「高級品も売れるように…」というコンセプトを打ち出し、店作りを高級にしてしまっていれば、安いイメージを作ることは難しいところはあります。あまり内装などには経費をかけずザックバランなほうがよいでしょう。
とにかく削れるところを徹底的に追及して削り、安売り販売に徹する経営手法をとるべきであるのです。そう、徹底的に、コストダウン、薄利多売方式に徹して、経営方針を組み立てるのです!?
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要するに、スーパーマーケットで、中途半端に安売りをするのではなく、価格で勝負していくディスカウントスーパーに、経営スタイルごとすべての転身するか、スーパーマーケットとは別に、ディスカウント店を新規に立ち上げて運営すべきなのであります!
大手総合スーパーマーケットでも極端な安売りは、母体とは別に、食品ディスカウント店を展開しているではありませんか。
それと同様に、居酒屋を運営している企業でも、「298円均一」の居酒屋を、既存の店とは別に展開しています。
安売りは、薄利となるので、どこかで出費を削らなければなりません。安売りの居酒屋では、
パソコンによるセルフオーダーシステムや、自分が注文した商品を、セルフで自分のテーブルへ運ぶシステムなどを導入して、ホールの人件費を削減し、この価格が実現したようです。
靴のディスカウント店でおなじみの靴の流通センターでは、2000円の靴を990円で仕掛けたそうです。
その仕組みは、物流コストと粗利益の圧縮であるようです。
靴の原価は同じなので、やはり、他の諸経費を圧縮するしかないようです。
もとは、海外工場で製造し国内倉庫を経て、各店に配送していたそうですが、海外工場で、それぞれの各店に、直送できるように梱包し、配送することが実現でき、それが可能になったようなのです。
中小スーパーマーケットの食品販売で、安売りを実現するには、これらと相通じるものがあります。安売りをしたいなら、ディスカウントスーパーに転身して、それに徹するスペシャリストを目指すしかありません。中途半端が一番ダメです。
「高級なものを買ってくれるお客様から、安いものを求めるお客様まで幅広い客層が欲しい」…などと、大それた欲を出してはいけません。
それができるのは、広い売り場を持つ、エブリデーロープライスをかかげた大手スーパーマーケットだけです。
小さなお店だからといって、ショッピングカートが使えないくらい、通路に商品を陳列してはいけません。
ケースの上がほこりまみれになっていたり、使わないPOPが散乱していたりしていてはだめです。安いものを買い回りしやすく、清潔感があることは、最低限必要なことです
当然、基本は、いかに安く仕入れるかにかかってくるでしょうから、購入ロッドも大きくなってしまうこともあるでしょう。 それらをストックする倉庫も必要になるでしょう。
もっと大きくなれば、大量の物量を、常に動かし続けるためのフォークリフトや、大きな搬入口が必要になるでしょう。
ゲリラ的に安く現金買いをしたり、大手スーパーマーケットができないような小回りの利いた仕入れをしたり……、仕入れ専門のバイヤーを育てることが必要ですが、人件費は、最低限の作業オペレーションでできるよう、縮小方向で検討しなければなりません。
薄利で商売が成り立つ、コスト削減方法を考え抜き、運営していくことが重要となります。
その他、いろいろと、スーパーマーケットを運営しているときとは違った手法に変更し、
安さを求めるお客様に、喜んでもらえる手法に、徹するべきであります。
要するに、経営手法から、売り場構成など、すべてにおいて”安売り主体”でいちから作り直さなければならないのであります。
とにかく中途半端はダメ! 徹底的にやることが重要である……ということです。
中小スーパーマーケットとして生き残っていくには、「美味しさの満足」を必要としている客層にターゲットを絞り込み、そのお客様に喜んでもらうことだけを、徹底的に考えるべきです。
そして「ここの部分では絶対に、大手スーパーマーケットに負けないぞ」……というもの確立するべきです。そうしないと生き残れません。
(詳しくは「スーパーマーケットのあるべき姿」をご覧ください)
私はどちらかというと、安売りに転身するのではなく、「美味しさの満足を徹底的に追及していくスタイル」に転身することをお勧めします。
(詳しくは「安売りをやめて方向転換した成功事例」)
その理由は次の、「日本人は安さだけでなく、美味しさや利便性、安心安全にお金を出す」をご覧ください。
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