賞与額を店舗に、貢献度に応じて配分する方法
賞与原資額を、貢献度によって各店に格差をつけて配分する方法
・・・・について考えることにします
賞与額配分方法の、おおまかな流れは、「賞与額の決定方法と配分方法」を参照してください。
今回はさらに詳しく、賞与原資を実績や貢献度に応じて賞与額を上下させ、各店に格差をつけて配分する方法を解説します。
≪賞与原資から本部配当分を差し引き、全店舗分の賞与原資額を算出≫
①まず、賞与原資から、本部配当分を差し引くと全店舗分の賞与原資額が算出されます。
(本部配当率の詳細は、「賞与額の決定方法と配分方法」を参照してください)
賞与原資 本部配当率
3000万 - (3000万×21.9%) = 2343万(全店舗総賞与原資)
(657万)
≪各店の純粋配当額を算出≫
②次に、各店の純粋配当額を算出します
配当額は、売上・粗利額ではなく、粗利額から販売管理費を差し引いた、営業利益の達成率で計ることにします。
達成率は、店舗の営業利益を、それぞれの店の営業利益の期待値で割ります。
営業利益の期待値とは、
それぞれの店が可能とする最低限のノルマを設定するものであります。
期待値は、過去3年間の営業利益実績の平均から決定するとよいでしょう
(実績営業利益)÷(期待値営業利益)=(達成率)
各店の達成率を、全店の達成率合計で割ったものを、それぞれの店舗の純粋な配当額に設定します。
(達成率)÷(全店達成率合計)=純粋配当額
では、それぞれの店舗ごとに算出してみましょう。
(実績営業利益)(期待値営業利益) ↓(達成率)↓ (全店達成率合計) (純粋配当率)
A店:220万÷181万=121% 121%÷390% = 33.7%
B店:330万÷290万=114% 114%÷390% = 31.2%
C店:280万÷207万=135% 135%÷390% = 35.1%
合計390% 100%
それぞれの店舗の純粋配当率に、全店分の賞与原資額(2343万)を掛ければ、各店の純粋な配当額が算出されます。
(純粋配当額)
A店: 33.7%×2343万=789.6万
B店: 31.2%×2343万=731.0万
C店: 35.1%×2343万=822.4万
2343万
・・・・となります。
この各店の純粋配当額は、「各店舗の役職手当をを算出するための基準数値」となります。
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≪各店の純粋な役職手当額を算出します≫
③次に、各店の純粋な役職手当額を算出します。
店舗ごとに役職者人数を加味した純粋な役職手当の総配当額を算出します。
役職手当分の配当率は「賞与額の決定方法と配分方法」を参照に行います。
この役職手当配当率に配属されている役職者の人数を掛けて、それぞれ各店ごとに、役職手当総配当額を算出します。
A店: (役職手当分の配当率)
店長 1名 × 3.5% = 3.5%
副店長 1名 × 1.3% = 1.3%
主任 5名 × 1.0% = 5.0%
レジ長 1名 × 1.0% = 1.0%
副主任 3名 × 0.6% = 1.8%
レジ社員 2名 ×▲0.3% =▲0.6%
事務員 1名 ×▲0.6% =▲0.6%
11.4%
(A店役職手当の総配当額)
(A店配当額)789.6万×(A店総役職分の配当率)11.4%=90万
B店 : (役職手当分の配当率)
店長 1名 × 3.5% = 3.5%
副店長 1名 × 1.3% = 1.3%
主任 6名 × 1.0% = 6.0%
レジ長 1名 × 1.0% = 1.0%
副主任 4名 × 0.6% = 2.4%
レジ社員 2名 ×▲0.3% =▲0.6%
事務員 1名 ×▲0.6% =▲0.6%
13.0%
(B店役職手当の総配当額)
(B店配当額)731.0万×(B店総役職配当率)13.0%=95万
C店 : (役職手当分の配当率)
店長 1名 × 3.5% = 3.5%
副店長 1名 × 1.3% = 1.3%
主任 6名 × 1.0% = 6.0%
レジ長 1名 × 1.0% = 1.0%
副主任 5名 × 0.6% = 3.0%
レジ社員 2名 ×▲0.3% =▲0.6%
事務員 1名 ×▲0.6% =▲0.6%
13.6%
(C店役職手当の総配当額)
(C店配当額)822.4万×(C店総役職配当率)13.6%=111.8万
A店より、B店の方が、役職者が多く、役職手当分の配当率が高いにもかかわらず、役職手当額がA店90万、B店95万と、5万しか変わらないのは、実績により店舗に配分された純粋配当額が、A店789.6万、B店731万と、B店の方が低く、分母が小さくなってしまったためであります。
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≪全店の基本ベース分の賞与原資総額を算出します≫
④では、全店の基本ベース分の賞与原資額を算出します。
全店の賞与原資総額から全店の役職手当額を差し引くと、全店基本ベース分の賞与原資額が算出されます。
(全店総賞与原資) -(全店役職手当額) = (全店基本ベース分の賞与原資額)
2343万 -(A店90万+B店95万+C店111.8万)=2046.2万
≪各店の貢献度に応じた配当率を算出します≫
⑤次に、上記の、全店賞与基本ベース分(2046.2万)を、スタッフ人数と実績を加味し、格差をつけた、各店への基本ベース配分を算出します。
各店の人数も、評価を受けたスタッフのポイントも、それぞれの店舗によって異なるため、各店スタッフの評価査定表から、総評価ポイント数を算出します。
これは、店舗に配属されている人数が多い店や、個人の査定評価が高く得られ、ポイントが高いスタッフが多い店は、この各店査定評価ポイントが多くなるということです。
仮に、各店それぞれ全員分のポイント合計が下記のようだとします。
A店:1000P
B店:1100P
C店:1200P
そして、各店純粋配当率に、このポイント数を掛け、各店ごとのポイント数値を置き換えます。
(純粋配当率) (各店査定評価ポイント)
A店: 33.7% × 1000P = 337P
B店: 31.2% × 1100P = 343P
C店: 35.1% × 1200P = 421P
全店合計 1101P
その置き換えた各店のポイント数値を、置き換えたポイント数の全店合計で割り、貢献度に応じた配当割合を決めるための配当率を算出します。
(スタッフ数と評価ポイントから取得した各店の配当率)
↓
A店: 337P ÷ 1101P = 31.0%
B店: 343P ÷ 1101P = 31.2%
C店: 421P ÷ 1101P = 37.8%
計 100%
この配当率を、全店基本ベース分の賞与原資額にそれぞれ掛ければ、各店の配当額が算出されて、公正公平に3店舗に振り分けることができるのです。
≪各店の配当額を算出してみます≫
上記の各店の配当率を全店基本ベース分の賞与原資額(2046.2万)に対して割り当てる
A店: 31.0% × 2046.2万 = 634.3万
B店: 31.2% × 2046.2万 = 638.4万
C店: 37.8% × 2046.2万 = 773.5万
合計 2046.2万
次に、この各店の配当額に、上記③の
<役職手当の配当額を加算します>
A店: 634.3万 + 90.0万 = 724.3万
B店: 638.4万 + 95.0万 = 733.4万
C店: 773.5万 +111.8万 = 885.3万
合計 2343.0万
これが、各店の配当額になるわけです。
この額は、役職者・スタッフ数、そして、査定評価のポイント数を加味して算出されたものであるから公正公平な額と言えるでしょう。
では次回は、店舗に配当された賞与額を、貢献度に応じて各部門に配当するために、「部門の貢献率を算出する方法」について解説します。
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