業績の成果の有無をどのように賞与額に置き換えるか?
<業績の成果の有無をどのように算出するのか?>
……について解説します。
例として、3店舗の過去3年間の平均実績が、下記のようだと仮定します。
≪過去3年間平均月間 売上 実績
(日販)
A店: 8850万 (295万)
B店:14250万 (475万)
C店:14610万 (487万)
≪今期達成 売上 実績≫
(平均日販伸び) (伸び率)
A店: 9000万 (300万) (5万up) 101.7%
B店:14400万 (480万) (5万up) 101.1%
C店:14700万 (490万) (3万up) 100.6%
≪過去3年間平均月間 粗利益 実績≫
(損益分岐点 ) 損益分岐点
粗利率 粗利額 販売管理費 より成果
A店: 26% 2301万 2120万 181万
B店: 27% 3848万 3558万 290万
C店: 29% 4237万 4030万 207万
≪今期達成 粗利益 実績≫
(損益分岐点) 損益分岐点
粗利率 (伸び) 粗利額 (伸び率) (販売管理費) より成果
A店: 26% ( ー ) 2340万 (101.7%) 2120万 220万
B店: 27% ( ー ) 3888万 (101.0%) 3558万 330万
C店: 30% (1%up) 4410万 (104.1%) 4410万 280万
合計 830万
≪営業利益 伸び率 算出≫
(今期) (期待値) (伸び率) (伸び率合計) ★(純粋配分割合)
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
A店: 220万÷181万=121% 121%÷370%= 32.7%
B店: 330万÷290万=114% 114%÷370%= 30.8%
C店: 280万÷207万=135% 135%÷370%= 6.5%
(伸び率合計 370%) 合計100%
スポンサードリンク
例えば、A店の過去3年間、平均月間実績(売上・利益・販売管理費)をゼロベースとして、期待値とします。
よって、A店の期待値は…
売上8850万 粗利率26% 粗利額2301万 販売管理費(損益分岐点)2120万 なので、
期待値としての成果ベースは、
粗利額2301万ー販売管理費2120万=期待値ベース181万(営業利益) …となり、
最低限この、181万は確保しなければなりません。
ここが、A店の成果のゼロベースとなります。
ですから、A店の成果とは、
この181万の営業利益を、上回る額を獲得しなければ「成果を上げた」とは言えないことになります。
そこで、A店の今期達成実績を見ると…
売上9000万で、 101.7%の伸びで、 粗利率や販売管理費は変わりませんが、売上は上がりました。
そのことで粗利額が増え、
営業利益は、39万増の220万の成果となりました。
成果の伸び率は、
(実績)220万÷(期待値)181万=121%の伸びと見ます。
同様にB店を見ますと……
期待値も実績も、売上・利益額・販売管理費、すべてA店より高いです。
しかし、成果額は……
(成果実績)330万ー(期待値成果)290万=40万
……と、A店の39万とほとんど変わりません。
成果の伸び率は……
B店(成果実績)330万÷(期待値成果)290万=114%
……と、A店の121%方が貢献度が高いことになります。
C店はB店とほぼ同じ売上規模でありますが、B店は、リースが完済していることや、家賃が安いことなどから、販売管理費が低く、期待値の成果は290万で、C店の207万より83万ほど期待値が高くなってます。
C店は、開店したばかりで必要経費も多く、家賃も高い。
営業時間も長く、人件費がかかり販売管理費が高くなりますが、粗利率を高く取る手法で運営しています。
C店は、日販3万のアップでとどまり、A・B店の日販5万アップより少なかったのですが、粗利率1%を上げることに成功しました。
そのため、173万の粗利額のアップを獲得……という結果になりました。
C店の販売管理費は、100万余計にかかってしまったが、成果として、
(実績成果)280万ー(期待値成果)207万=73万のアップを実現しました。
成果の伸び率は……
(成果実績)280万÷(期待値成果)207万=135%
スポンサードリンク
このように、過去3年間の平均実績を、まず期待値のゼロベースとします。
そこから 売上を上げるなり 、利益額をあげるなり、販売管理費を抑えるなどして……
どれだけ営業利益を伸ばすことができたか!?
……を見ることによって、店の規模とは関係なく、各店の伸び率を公正公平に見比べる、モノサシに成り得るのであります。
そして、
各店の成果の伸び率をすべて合計すると、370%になります。
これを100%と見なして、
伸び率÷伸び率合計(370%)で算出すると、
上記 ★印の 各店の純粋な配分割合(純粋配分率)が算出されます。
これが、それぞれ各店が貢献した度合いとなります。
これを元に、賞与原資などを各店に配分すれば良いのであります。
その方法は「賞与額の決定方法と配分方法」を参考にして下さい。
スポンサードリンク
この記事へのコメントはありません。