牛肉のロスがゼロ!!  毎日完全に売り切る「売場戦略」の方法?

牛肉は、スライスしたりステーキ用にカットしたときから、鮮度劣化が急速に早まり変色し始めます。

変色することによって売れ行きがにぶり、値引きロスや、廃棄ロスになってしまいます。

牛肉を値引き販売するメリットとデメリット!

 

だからといって、商品を作ることに消極的になっていますと、商品ボリュームやアイテム数が少なくなります。

そうなると売り場がスッカスカになり、魅力のある売り場にはなりません。

 

ここでは、牛肉のセルフ売り場に、ボリュームがあって、尚且つ、ロスなく、毎日売り切りながら売り場を維持し、管理していく方法について解説いたします。

 

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廃棄ロス・値引ロスの発生状況   

牛肉商品を作ったら、その日のうちに、すべて売り切れてくれれば良いのですが、たいていは少し売れ残ってしまいます。

 

当然、商品を作る際は、その日の天候や、気温などで来店客数を予想し、陳列する場所、スペース、販売する価格などを考慮して、製造するパック数を決めます。

それでも、売れ残ってしまう商品はあるものです。

 

その売れ残った商品を、翌日も販売しなければならないのですが、翌日には「同じ品目・価格」で製造する「新しい商品」もあります。

「前日に残った商品」と、「当日製造した商品」を比べると、「おなじ品目」で「おなじ価格」であれば、当日製造した新しい商品のほうが鮮度が良く、先に売れてしまいます。

 

そこで、夕方には「前日に残った商品」は早め早めに値引きしていくことになり、値引きロスとなります。

 

また、どうしても「今日製造した商品」よりも先に「前日に残った商品」を売りたいので、はなっから「前日に残った商品」を売場の全面に陳列しようとします。

それは「今日製造した鮮度の良い商品」の上に「前日に残った商品」をのせてしまうことになりますので、売り場の鮮度の良さを隠してしまうことになります。

 

それにより売り場の鮮度感が損なわれ、売れ行きが鈍くなり、隠された状態の「今日製造した商品」まで売れない状況を作ってしまうことになります。

早めに「前日に残った商品」が売れてくれて、「今日製造した鮮度の良い商品」が前面に出てきてくれればよいのですが、たいていは、鮮度の落ちた商品は売れ行きが鈍るのが現状です。

 

そうなると、「今日製造した鮮度の良い商品」は翌日に持越しとなり、「前日に残った商品」が再度売れずに残れば、最終的に廃棄することになり廃棄ロスとなります。

 

このような「おせおせ」の悪循環に陥ることが多々あります。

 

そこで、そのような廃棄ロスや、値引きロスにならないようにするための対策をとる必要があるのです。

鮮度劣化を防ぐ! 牛肉の扱い方の基本!

 

売れ残りを翌日、定価で売り切る方策 

1日に売れる販売数が5~6パック程度の商品で、ショーケースの2段目2フェイスに陳列し販売したところ、2~3パック売れ残ってしまったとします。

 

その場合、翌日は、その品目の商品は切らずに製造しないで、あるものだけを上段の3段目に陳列場所を変え、1フェイスに販売スペースを縮めて、残ったものを売り切っていきます

 

なぜなら、その商品が1日5~6パック売れるからといって、

「前日の残り2~3パックの足りない分を、3パック作らなきゃ」……などと、

単純に売れる数の差引で、足りない分の補充製造をし、前日と同じようにショーケース2段目2フェースで陳列すると、前日の売れ残りが翌日も売れずに、ロスとなっていくからです。

全ての商品で、毎日足りないパック数を作って補充していくと、途端に売場全体の鮮度が悪くなります。

それぞれの商品で売れ残りが発生し、売れ残りだらけで売場が埋め尽くされてしまうからです。

 

そうなると、「今日は、いったん全て売り切ろう」……などと、

も製造できない日が出てきてしまったりするなど、悪循環が始まります。

 

そこで、空いたショーケース2段目2フェイスは……というと、

その残ってしまった商品にかぶらない、他の違ったアイテムを展開し、売上を確保していきます。

 

このようにやりくりすれば、残った商品も、キレイに値引きせずに売り切れ、売り場の商品ボリュームも、鮮度も、売上も落ちることもないでしょう。

 

 

売場をやりくりする例として、

いつも2段目2フェイスで陳列するときは、8パックは売れる「A商品980円/1パック」があるとします。

その商品が今日は4パック残ってしまいました。

その際、

明日はその「A商品」は切らずに、上段3段目にあげて1フェイスで陳列し、売り切るようにして、

2段目2フェイスは「B商品1280円」を2フェイス新しく製造し陳列してみよう!……とか、

 

下段に陳列し特売をしていた「C商品1480円/1パック」が、8パック残ってしまったから、

明日は、2段目2フェイス空いた分に、あるものだけを陳列して、新たにその商品は製造せず、明日中には売り切ってしまおう……

そして、下段では「D商品を980円の特売」を仕掛けてみよう!……とか、

 

毎日「売り場構成」を考え、前日とは同じ売場レイアウトにしない……ということです。

 

これを毎日、すき焼きコーナー。しゃぶしゃぶコーナー、切り落とし、ステーキ、焼肉など、それぞれカテゴリーコーナーコーナーごとに、翌日の売場レイアウトを考えて、やりくりしていきます。

これらがうまくできるようになると、売れ残っても翌日までには定価で売り切ることができるため、値引きロスも廃棄ロスもでません。

 

ただし、毎日たくさんの量が売れる、売れ筋商品もあると思います。

売れ筋商品は、前日の売れ残り商品があったとしても、毎日製造しなければなりません。

その売れ筋商品が4~5パック残ったから……といって、翌日は上段に上げて、その売れ筋商品を追加製造しないようなことをすると、売り上げが稼げないからです。

その売れ筋商品と同じくらい、売上が稼げる別の商品アイテムを、代わりに展開できれば良いのですが、そうでない限りは、同じ品目の同じ価格で、売れ筋商品の追加製造をしなければなりません。

 

売れ筋商品を毎日製造する場合は、「前日からの持越し商品」が、夕方まで売れ残っているようであれば、夕方には多少なりとも値引きして、売り切ってしまう手法を取らざるを得ないでしょう。

 

これらの売場戦略のやりくりを確立できるようになると、常に新しい販売の仕掛けができるとともに、新しい商品を製造して陳列できるので、売り場が鮮度良く見えるようになります。

そして、売り場がマンネリ化せず、常に面白みと魅力のある、イキイキとした売場イメージを与えることができます。

回転率が上がり鮮度up! 牛肉売り場の作り方

 

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商品アイテムのバリエーションについて

これらの手法をとるには、それぞれのカテゴリーコーナーごとに、いろいろな「商品アイテムの規格」を持ち合わせていないとできません。

 

牛肉にはいろいろな部位があり、スペック化をして、こまめに必要なだけ、商品アイテムを製造できるようにしておきます。

そして、その日の売場レイアウトに、どの部位を使い、どんな商品を製造すれば、バリエーション豊富な売り場が作れるか……

 

霜降りの部位もあれば、赤身の部位もあります。それらの違いで、さまざまなバリエーションが製造できます。

また、それぞれの部位の量目から、

A商品を何パック……B商品を何パック作れば、その部位を一度の使いきることが出来るか……。

尚且つ、作った商品が全て売り切れる数であるか……。

……これらも計算し考慮して、売り場構成を構築していきます。

 

売り場のバリエーションを豊富にするには、

  1. 牛肉の品質ランクをA5~A4や、交雑種、国産牛、輸入牛など、上中下の差別化をはかり、商品アイテムをバラエティに展開することもできます。
  2. 1パック当たりの価格帯のバリエーションに、違いをもたせて展開することもできます。
  3. 1パック当たりの量目のボリュームで、違いをもたせて展開することもできます。

……これらの違いと差別化をまんべんなく売場に展開しながら、バリエーション豊富な売り場になるように、売場レイアウトを考案します。

霜降り肉ばかりの商品が並ぶ売場になってもダメですし、赤身だらけの売場でもダメです。

 

輸入牛ばかりの売り場でもダメです。

 

A4~A5の黒毛和牛中心の売場にするのはいいことですが、そればかりでもダメです。

その中には、リーズナブルな交雑種もなければなりません。

価格が安く、量的にボリューム感の出せる輸入牛もあったほうがいいでしょう。

 

同じような商品が重なり合い、かぶらないように、それぞれの商品の特長をアピールし、これらをうまく組み合わせることや、前日の商品の残り具合なども考慮して、ロスなく、すべて売り切れるような売場レイアウトを考案します。

 

これは、毎日変わるものです。

閉店間際に、売り場の商品の残り具合を確認し、バックヤードの冷蔵庫の在庫を把握して明日の販売戦略を練ります。

明日のために考案するべき売場戦略は  

どの部位を使って、どんな商品をいくらで、何パック製造するか

下段で特売するものは何にするか

どのカテゴリーコーナーを強く強調していくか

もちろん、チラシを配布すれば、広告掲載品は必ず製造し、売り場に組み込んでいかなければなりません。

 

  • これらを全てふまえて、残った商品をどの場所でどのくらいのスペースで売り切っていくか……
  • 売上を確保するために、どんな特売を仕掛けていくか……。

……などを考案していきます。

 

これを構築し、売り場レイアウトを紙に、図式にして指示書にします。

 

記入する項目

  • どの部位を使用するか
  • 1パック当たりの量目
  • 1パック当たりの価格もしくは、100g当たりの金額
  • 何フェイスで展開するか
  • 何パック製造するか

 

これらをひと目で誰が見ても分かるように、売り場と同じに見えるような図式にして書きます。

 

これを前日にやっておくか、おかないかによって、翌日の開店前の製造時の効率の良さ・悪さに、相当の影響がでてきます。

 

やっておけば、その売場レイアウトになるように、ひたすら製造に打ち込むだけなので、開店前の製造作業がスムーズに進めることができます。

 

それぞれのスタッフが、その日の製造するもの、陳列する場所など一目瞭然なので、その都度スタッフに、指示を出さずに済むからです。

 

やっておかなければ、牛肉を切りながら、「あ~でもない、こ~でもない」と考えながら作業を進めなければならないので、作業がなかなかはかどらないばかりか、製造スピードも落ちるため、鮮度が急速に落ちます。

 

毎日、1日の仕事の終わりには、明日のための売場戦略をしっかり作ることが重要です。

 

1日の終わりの作業行程に組み込みましょう。

回転率が上がり鮮度up! 牛肉売り場の作り方

 

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