スーパーマーケットのあるべき姿は?
お客様の食卓に笑顔と幸せを提供するために
~スーパーマーケットのあるべき姿は~
今の世の中が不況とはいえ、「モノ余りの時代」であります。
大昔は、ものが無かった時代。しかし今は、もの余りの供給過剰時代。 不要なものは、いくら安くても、手を出さない人種が増えてきました。
モノが余っているから……安いから……といって、 「たくさん買おう」「たくさん食べよう」という時代は終わりました。だからこそ、スーパーマーケットの顧客が購入するのは、
「お腹いっぱいの満腹感」ではなく
「美味しさの満足感」ではないか……と思います。
<お客様がスーパーマーケットに求めるもの>
ディスカウントスーパーに買いに行くときの目的は、
「量が必要なときは、安く買いたい」とか、
「品質の差に遜色がなければ、安い方が良い」
などの理由から、「質より量」を求める顧客であると考えます。
顧客が、スーパーマーケットとディスカウントスーパーに求めるものは、それぞれ異なるのです。
ところが、多くの中小スーパーマーケットは、このことを理解しようとせず、常に価格競争ばかりに重点を置いているように見えます。
そのため、どのスーパーマーケットも、似たり寄ったりで、伸び悩むのであります。
(スーパーマーケットが安売りに走るなら「スーパーマーケットが安売りでイメージで成功する方法」をご覧ください)
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スーパーマーケットには、ディスカウント店とは異なる、「あるべき姿と使命」があるのです。
これからの時代は、少子高齢化がさら進み、「人口も、胃袋も小さくなっています。」
たくさん食べる子供は少なくなり、「少ししか食べられないので、どうせなら美味しいものを」・・・という高齢者の方は年々増えていきます。
日本は、否応なく「成熟化社会」へと変質していき、需要が減少していること……、今後も、もっと加速していくこと……は、事実として受け止めなければなりません。
これらのことを、より具体的に掘り下げて、販売方法を考えていくことが、スーパーマーケットとして生き残っていく方法ではないでしょうか。
日本人は「本当に欲しいもの・必要なもの」しか買わなくなりました。
時代の変化にあわせて私たちも、スーパーマーケットのあるべき姿を、今一度、立ち止まって見つめ直さなければなりません。
「消費者は、何を求め、どのような動機で買い物をするのでしょうか?」
自給自足は別として、当然、食べなければ生きていけませんので、生きるために必要だから買う。……といったところでは、 「目的買い」となり、それは当たり前のこととなりますので、それは除外して考えることにしますが、昨今の満たされた時代では主に、「買いたくなったから買っているだけ」と感じます。
「今、買わなければならない」という必要性があって買っている……ということも、もちろんありますが、店内を歩き回っているうちに、
「あっ!これ買おう」……とか、
「良さそうだな~、買っとこうかな~」というくらいの気持ちで買っていることも、多々見受けられると思います。ですから、
「いかに買いたい気持ちにさせるか」
「いかにあの店に行こうかという気持ちにさせるか」
が大事になってくるのです。
そのための方策として、「安く売る」という方策以外に、顧客を「買いたい気持ち」にさせる方策があります。
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<私たちの店を好きになってもらうにはどうしたらよい?>
これを成し遂げるために、スーパーマーケットは、
「顧客にどのような印象を与えることが大事か…」 を考えます。
まず始めに、店でお客様からアンケートを取った結果からまとめた、「顧客が、お店に求めることトップ10」を紹介します。
〈顧客が店に求めることトップ10〉
1位 店が清潔で、整理整頓されている
2位 スタッフが清潔で、礼儀正しく敬意をもって接客している
3位 価格が見やすく良心的で、ごまかしがない
4位 商品作りやパッケージが、きちんとされていてキレイ
5位 鮮度管理がしっかりされている
6位 通路がスッキリしていて、カートでの買い物がスムーズ
7位 商品の返品・交換したいとき、手早く煩わしくない
8位 精算するとき、レジなどで待たされない
9位 品揃えが豊富にある
10位 スタッフが、気軽なコミュニケーションがあり、かつ、 押し付けがましくない
という結果になりました。この結果から、鮮度管理、安心安全はもちろん大前提として、
すべて清潔で、正直で、礼儀正しいスタッフの人柄と、品揃えが豊富……ということではないでしょうか。
(この他、顧客が求めることは、「日本人は安さだけでなく、美味しさや利便性、安心安全にお金を出す」をご覧ください)
これをもとに
<どのような印象を与えることが大事か?>を考えます。
まず、品揃えに関して、品揃えが豊富とは、どういうことを意味するのでしょうか、
また、「どこまで揃えればよいか」を考えることに重点を置かれると思います。
品揃えのしかたは、けっこう重要です。
例えば、納豆ひとつとっても、「どんな品揃えをするか……」
「極小粒」が売れ筋だからといって、「極小粒」のアイテムばかりを並べると、大粒を好む顧客は来なくなってしまうのはご存知の通りです。
「極小粒」で、価格帯が3パック入りで、78円から98円くらいの売れ筋路を4~6アイテムも品揃えをしても、お客様はその中から1品選ぶだけです。
納豆売場が12尺以上とれる広い売り場なら良いのですが、小さな店の狭い売り場で、このような「似たような商品」ばかりを何アイテムも取り揃え、売り場を埋め尽くすのは、お客様にとって面白味がありません。
納豆ひとつ、いろいろなメーカーが似たような商品を生産し、どこのメーカーも、一番の売れ筋を売り込みに営業に来ます。
「いいわ、いいわ」でお付き合いしてしまうと、このように似たような商品がいくつも並び、売り場を埋め尽くす結果になってしまいます。
「大粒」「中粒」「極小粒」それぞれ、最低3種類くらいずつの品揃えで、それぞれの商品グレードで「上・中・下」の3段階の商品を選択して、基本となる定番商品のレイアウトを作ることをお勧めします。
その他、納豆には変わり種が多数あります。例えば、
・たまご醤油タレ
・四万十川産の川のりタレ
・青じそタレ
・大根おろしタレ
・キムチタレ
……など、さまざまな味の商品が出回っており、毎日の朝食に味の変化を与えることのできる商品も多数あります。
こういう商品を品揃えしてあるのと、ないのでは、売り場の面白さが格段に変わってきます。
同じような商品を、いくつも並べているのであれば、その中のひとつかふたつ絞り込んで、その分、このようなバリエーション豊かな商品を取り込んだ売り場構成を考えるべきだと思います。
売場が狭くて、すべておききれない場合は、日替わりで、順番に取り揃えていけば、毎日の売り場の変化もみられて、面白味のある売り場になります。
価格帯も、売れ筋のメインの商品より、何十円か高い程度ですから、決して手の届かない商品ではありません。
品揃えの基本は、ひとつの商品に対して、最低「上・中・下」の商品グレードを3種類ずつ取り揃えることと、
変わり種を取り揃えて、基本レイアウトを作り、
その構成を守った中で、とっかえひっかえ商品を変えて品揃えをし、
日々の売り場に変化を与えることがコツです。
このやり方は、消費期限のロスも防ぐことができます。
売れ筋以外は、同じ商品が毎日納品されないことから、同じ商品のなかに、異なる日付の消費期限というものがなくなるからです。
多数のお客様は、同じ商品であれば、日付の新しい商品を選びます。
売れ残ってしまうと、翌日も販売するのですが、値引きの対象になってしまいがちになるのです。
また、その他でも、
◆「こんな商品があったらいいな~」
・・・という期待に添える商品がある。
◆目新しい商品が、常に入れ替わり展開され、
飽きさせない工夫がされている
◆他の店では見られない、珍しい商品が多々見受けられる
◆この店ならではの美味しい商品が、
豊富にある
◆安いものから品質の高い商品まで、
バリエーションが豊富
…………など、品揃えが魅力的であることが、大事であります。
また、ちまたでよく見られる「おすすめ品」は、ただ単に「価格が安いから…」というものが多いなかで、あの店のおすすめ品は、おすすめる理由がわかりやすく示され、「興味がわいてくるおすすめ品」が豊富にあるそして、 「こんなものがあるんだ~」と、いろいろな商品を知ることができ、新たなる発見の楽しさが感じられる……などなど、
・商品の特徴
・食べ方や調理方法のコツ
・旬の食材など
商品説明がわかりやすくアピールされていることが大事であります。
また、いたるところで、実演販売や、試食販売があり、 美味しさを実感し、納得してから買うことができる安心感も大事です 。
その他、商品以外で好印象を与えるのは、もちろん人であります。
「あの店は、スタッフが、親切・丁寧に商品説明をしてくれる」
「あの店のスタッフは、いつも笑顔で声をかけてくれるので、気持ちがいい」
「だから私は、あのお店が好き…」……ということに繋がってきます。
これらのように、自分の店を好きになってもらい、
豊富な品揃えと、接客を常に研究し、強化していくことが、
顧客に良い印象を与える大事なことになるのではないでしょうか。
ですから、スーパーマーケットのあるべき姿とは、魅力のある商品の品揃えの充実と、気持ちがいいスタッフの接客が徹底的に行われている店であること……ではないでしょうか。
(スーパーマーケットが安売りに走ることを勧めない理由は
「スーパーマーケットが激安な安売り合戦をしても売り上げが上がらない理由」
「激安な安売り合戦で陥る落とし穴」をご覧ください)
では売り上げを上げる方策「売り上げを向上させる要因」をご覧ください。
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